“しやく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
52.0%
16.2%
14.7%
4.9%
2.9%
2.0%
1.5%
1.0%
歔欷1.0%
欷歔0.5%
0.5%
0.5%
四厄0.5%
0.5%
0.5%
試薬0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
中にも苦味走つた顔の男は、巡査の人を見るやうな見方をしたと思つたので、八はしやくさはつたが、おくが出て下を向いてしまつた。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
……とその大湯おほゆ温泉をんせんで、おしろひのはなにもない菜葉なつぱのやうなのにしやくをされつゝ、画家ゑかきさんがわたしたちにはなしたのであつた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
キヤツとく、と五六しやく眞黒まつくろをどあがつて、障子しやうじ小間こまからドンとた、もつとうたくはへたまゝで、ののち二日ふつかばかりかげせぬ。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そして、しやくを胸のところに両手で捧げ持ち、多少とも気を張つて真正面をむいて歩くのは、かなり努力の要ることだつた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
しやく釈につくるの外、たくを沢、驛をえきつくるぞくなり、しかれども巻中えきたくの字多し。しばらくぞくしたがうて駅沢に作り、以梓繁しはんはぶく。省字せうじは皆古法こほふしたがふ。
高野山にありて蜜教みつきやうを学び、のち生国にかへり大浦の蓮花寺に住し、行脚あんぎやして越後に来り、三嶋郡野積村のづみむら(里言のぞみ)海雲山西生寺の東、岩坂といふ所にしやくをとゞめて草庵をむすびしに
食べものを運ぶホークに、二本の筋のある斷片的な鼻と口とがうつり、齒が光ることがある。それより面白いのは小さな匙に、透明な液體とともにしやくひあげた小人こびとの自分の顏。
鏡二題 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
寫眞しやしんも、このころねこしやく子もやるといふ風な、はやりものになつて、それに趣味しゆみを持つなどゝいふのがへんたり前ぎるかんじで、かへつがひけるやうなことにさへなつてしまつた。
次郎公はまたひいひい歔欷しやくりあげた。
神童の死 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
鳥の鳴くよに、欷歔しやくるよに
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
けてもつれて欷歔しやくるこゑ。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
此時分このじぶん發掘法はつくつはふといふのは、幼稚ようちなもので、幻花はハンマーでこつこつつて、布呂敷ふろしき貝殼かひがらしやくくらゐ。
はじめて萱原かやはら分入わけいつたとき活東子くわつとうしんだ。望蜀生ぼうしよくせい如何どうしたのか、りつきもない。狹衣子さごろもし役者やくしやつて、あのどろしやくつたでお白粉しろしいきつゝあり。
千登世は兩手を彼の肩にかけたまゝ、亂れ髮におほはれた蒼白い瓜實顏うりざねがほを胸のあたりに押當てて、しやくりあげた。「ほんたうに苦勞させるわね。すまない……」
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
この米をやけしま力米ちからごめといい、病人にかぎってかゆにしてすすらせた。火風水土の四厄しやくを凌いで育った米の精は強大で、たいていの病人は良薬ほどにも効いた。
藤九郎の島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
しやく、男しやくろう政客、天文學博士はくし實業じつげう家など、藝苑げいえんでは一時てきに中村時ぞうや千早智さち子などもんでゐたし、シロタやトドロヰッチ夫人のピアノ彈奏だんそうを立ち聽きした事もあるし
「放つて置くが宜い。——皆んな泣いて居るのに、じろ/\家の中を睨み廻されちや、しやくに障つてかなはない」
これら清洌な試薬しやくによつて
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
並背なみぜいにていが栗の頭髪つむりも思ひなしか俗とは変りて、藤本信如ふぢもとのぶゆきよみにてすませど、何処どこやらしやくといひたげの素振そぶりなり。
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)