“杓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゃく57.1%
ひしゃく14.3%
しやく9.5%
ひさご4.8%
4.8%
しゃ4.8%
すく4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「お連れさんがそこへ来ていらっしゃいやすよ。」と言ってその顎をしゃくった。その時にお増が後を振りかえった。磯野も振り顧った。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
くわの先にくずされた蟻群ぎぐんの一匹のごとく蠢めいている。ひしゃくの水をくらった蜘蛛くもの子のごとく蠢めいている。いかなる人間もこうなると駄目だ。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一人で山を下りられるか、あそこから眞直ぐの一本道だといつたから、あん子は顎をしやくつて見せて判つた意味を現はした。
神のない子 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
垣衣しのぶぐささん。お前に汐汲みをよさせて、柴を苅りにやるのだそうで、わしは道具を持って来た。代りに桶とひさごをもらって往こう」
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
敵娼あいかたはいずれもその傍に附き添い、水をんでやる、掛けてやる、善吉の目には羨ましく見受けられた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「誰が見るものかね。踊よりか、町で買った、擂粉木とこのしゃもじをさ、お前さんと私とで、持って歩行あるいた方がよっぽどおかしい。」
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それを使わないと、他のものでは承知しない。調和しない。茶杓は茶がすくえたらよいというだけじゃないと分って、そこでなにもかも詮議して来る。
書道と茶道 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)