ひさご)” の例文
垣衣しのぶぐささん。お前に汐汲みをよさせて、柴を苅りにやるのだそうで、わしは道具を持って来た。代りに桶とひさごをもらって往こう」
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
心で心を励まして、ようようひさごをおろすや否や、波が杓を取って行った。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
奴頭は二人の子供を新参小屋に連れて往って、安寿にはおけひさご、厨子王にはかごかまを渡した。どちらにも午餉ひるげを入れる樏子かれいけが添えてある。新参小屋はほかの奴婢ぬひの居所とは別になっているのである。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)