“一杓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっしゃく75.0%
ひとしゃく25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
名利みょうりを思うて煩悶絶間なき心の上に、一杓いっしゃくの冷水を浴びせかけられたような心持がして、一種の涼味を感ずると共に、心の奥より秋の日のような清く温き光が照して
我が子の死 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
その方角の変った晴がましさは、末造の熱した頭に一杓いっしゃくの冷水を浴せたのである。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
せっかく丹精して塗り立てた彼女の手も、この神聖な一杓ひとしゃくの水で、無残むざんに元のごとく赤黒くされてしまったのである。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)