“幼稚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ようち36.4%
おさな12.1%
ちいさ12.1%
えうち9.1%
いとけな9.1%
をさな6.1%
ナイヴ6.1%
こども3.0%
をさなき3.0%
をさなだち3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それに対してO市の町の灯の列はどす赤く、その腰を屏風びょうぶのように背後の南へ拡がるじぐざぐの屏嶺へいれい墨色すみいろ幼稚ようちしわを険立たしている。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「与一が幼稚おさな時に人から聞いておりまする。左様さよう思うて、きょうも小母様を斬りました。この家の名折れと承わりましたゆえ」
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
弟はまだ幼稚ちいさかったし、感付いていたのは私一人だったから証拠らしいものは何一つ残っていない。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
麻雀競技會マアジヤンきやうぎくわい常勝者じやうしようしやとしてその技法ぎはふをたゞ驚歎きやうたんされてゐたそれがしが、支那人式しなじんしき仕方しかたからすれば至極しごく幼稚えうち不正ふせいおこなつてゐたことがわかるし
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
美徳びとくはふあやまれば惡徳あくとくくわし、惡徳あくとく用處ようしょ威嚴ゐげんしゃうず。この孱弱かよわい、幼稚いとけなはなぶさうちどく宿よどれば藥力やくりきもある、いでは身體中からだぢゅうなぐさむれども、むるときは心臟しんざうともに五くわんころす。
塚窪の坂の下まで行くと、とある農家の前に一人の飴屋あめや、面白可笑をかしく唐人笛たうじんぶえを吹立てゝ、幼稚をさない客を呼集めて居る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
従って、かえってそういう文献などに精通しない門外漢の幼稚ナイヴな考察の中からいくらかでも役に立つような若干の暗示が生まれうるプロバビリティーがあるかもしれないと思われる。
映画芸術 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
見やりて父は打笑ひませた樣でもまだ幼稚こども兎角とかく縁談の事などはづかしいのが先に立ゆゑ判然はつきり返事へんじも出來ぬ物だが一しやう連添つれそふ本夫をつとの事いやな者をば無理むりやりに行とは決して言はせねど昨日きのふ向ふは其方そなた
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そのせはしき事の千しん、暖国の農業のうげふすれば百ばい也。さればとて雪国にうまるもの幼稚をさなきより雪中に成長するゆゑ、蓼中たでのなかむしからきをしらざるがごとく雪を雪ともおもはざるは、暖地だんち安居あんきよあぢはへざるゆゑ也。
見てざるはいさみなしとか惡とはしれども一工夫ひとくふう仕まつて見申べしとやゝ暫く思慮しりよに及びけるが人々に向ひまづ天一殿の面部は當將軍家の幼稚をさなだち御相恰ごさうがふよくしのみか音聲おんじやう迄も其儘なれば十が九ツ此企このくはだて成就せんと云に皆々打よろこび茲に主從しうじうの約を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)