“ちいさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
48.5%
幼少13.9%
12.9%
7.9%
5.9%
幼稚4.0%
3.0%
小型1.0%
小女1.0%
微々1.0%
矮小1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うしろを限る書割かきわりにはちいさ大名屋敷だいみょうやしき練塀ねりべいえがき、その上の空一面をば無理にも夜だと思わせるように隙間すきまもなく真黒まっくろに塗りたててある。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
また頼三樹さんや池内大角(吉田松陰らと倶に斬らる)などゝも親密で私が幼少ちいさい時分には能う往来きして居ました。
千里駒後日譚 (新字旧仮名) / 川田瑞穂楢崎竜川田雪山(著)
家を出て円タクを呼留めて、車中の人になると、野村の頭には、之という理由わけもなく、ちいさい時の事が思い浮んで来た。
ちいさいじぶんの冬の晩、どこのかへりだらう大叔母に手をひかれてもう半分ほど大戸を下ろしてしまつた、にんべんだか山本だかで買物をすまし、おもてへでると
寄席風流 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
鏡子は白い胸をけた。六年程子の口の触れないちゝは処女のちゝのやうにちいさく盛り上つたに過ぎないのである。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
……年紀としは、そうさね、七歳ななつ六歳むッつぐらいな、色の白い上品な、……男の児にしてはちと綺麗過ぎるから女の児——だとリボンだね。——青いリボン。……幼稚ちいさくたってと限りもしないわね。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なりのちいさい、骨格の秀でた、どこか陰気な煤皺すすしわの寄ったような顔をしていた。
天狗 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
……ウチのとっさんは、平生いつもから小型ちいさな、鱶捕ふかどりの短導火線弾ハヤクチを四ツ五ツと、舶来の器械燐寸まっち準備よういしていた。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「ええ、小女ちいさい方よ、お爺さん、こんなになって……お可懐なつかしいのね。」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
微々ちいさな小諸の銀行を信州一と言われる位に盛大おおきくなすった程の御腕前は有ながら、奥様の為には一生の光栄ほまれ塵埃ごみくた同様に捨てて御了いなすって
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ちんというやつで、体躯からだつきの矮小ちいさな割に耳の辺からかぶさったような長い房々とした毛が薄暗い廊下では際立って白く見えた。
ある女の生涯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)