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稚
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ちいさ
ふりがな文庫
“
稚
(
ちいさ
)” の例文
前
(
ぜん
)
に奉公していた
邸
(
やしき
)
で、ことのほか惜しまれたということ、
稚
(
ちいさ
)
い時分から、親や兄に、口答え一つしたことのない素直な性質だということも話した。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
稚
(
ちいさ
)
いじぶんの冬の晩、どこのかへりだらう大叔母に手をひかれてもう半分ほど大戸を下ろしてしまつた、
亻
(
にんべん
)
だか山本だかで買物をすまし、おもてへでると
寄席風流
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
屋内通路
(
アルケイド
)
と、赤、緑、白に塗り立てたおもて口、漆喰細工の
稚
(
ちいさ
)
い装飾、不可解に垂れ下った屋根、多角形に張り出ている軒、宝石・象牙・骨董を商う店、絹地屋——など
踊る地平線:12 海のモザイク
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
其処
(
そこ
)
にこの山があるくらいは、
予
(
かね
)
て聞いて、
小児心
(
こどもごころ
)
にも方角を知っていた。そして
迷子
(
まいご
)
になったか、魔に
捉
(
と
)
られたか、知れもしないのに、
稚
(
ちいさ
)
な者は、
暢気
(
のんき
)
じゃありませんか。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
日が暮れるまで大きい
圍爐裏
(
ゐろり
)
の隅に
蹲
(
うづくま
)
つて、浮かぬ顏をして火箸許り
弄
(
いぢ
)
つてゐたので、父は夕飯が濟んでから、黒い羊羹を二本買つて來て呉れて、お前は一番
稚
(
ちいさ
)
いのだからと言つて慰めて呉れた。
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
「貧乏くさい商売だね」お島は自分の
稚
(
ちいさ
)
い時分から居ずわりになっている男に声かけた。その男は楮の煮らるる釜の下の火を見ながら、
跪坐
(
しゃが
)
んで
莨
(
たばこ
)
を
喫
(
す
)
っていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
あすこのな、蛇屋に蛇は多けれど、貴方がたのこの
二条
(
ふたすじ
)
ほど、
験
(
げん
)
のあったは外にはないやろ。私かて、親はなし、
稚
(
ちいさ
)
い時から
勤
(
つとめ
)
をした、辛い事、悲しい事、
口惜
(
くや
)
しい事、恋しい事
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
日本橋の方へやられたころには、この
稚
(
ちいさ
)
い弟も父親に連れられて、田舎へ旅立って行った。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「まあ、そんなにお
稚
(
ちいさ
)
い時。」
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
じっと部屋のなかに坐っているようなことは余り好まなかったので、
稚
(
ちいさ
)
いおりから善く外へ出て田畑の土を
弄
(
いじ
)
ったり、若い男たちと一緒に、田植に出たり、稲刈に働いたりした。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
中には
顎下腺炎
(
がっかせんえん
)
とかで死んだ
祖母
(
ばあ
)
さんの手の
迹
(
あと
)
だという
黴
(
かび
)
くさい
巾着
(
きんちゃく
)
などもあった。お庄は自分の産れぬ前のことや、
稚
(
ちいさ
)
いおりのことを考えて、暗い
懐
(
なつ
)
かしいような心持がしていた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「出て来なけアどうするえ。
稚
(
ちいさ
)
いものがいちゃ働くことも出来まいが……。」
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「だから言わんこっちゃない。
稚
(
ちいさ
)
い時分から私が黒い目でちゃんと
睨
(
にら
)
んでおいたんだ。此方から出なくたって、先じゃ
疾
(
とう
)
の昔に
愛相
(
あいそ
)
をつかしているのだよ」母親はまた
意地張
(
いじっぱり
)
なお島の
幼
(
ちいさ
)
い時分のことを
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
稚
常用漢字
中学
部首:⽲
13画
“稚”を含む語句
幼稚
稚子
稚児
稚兒
稚心
天稚彦
丁稚
稚内
幼稚園
稚顔
稚気
稚児髷
稚氣
丁稚小僧
稚郎子
稚時
幼稚意
稚拙
丁稚奉公
稚児輪
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