幼稚ちいさ)” の例文
弟はまだ幼稚ちいさかったし、感付いていたのは私一人だったから証拠らしいものは何一つ残っていない。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
……年紀としは、そうさね、七歳ななつ六歳むッつぐらいな、色の白い上品な、……男の児にしてはちと綺麗過ぎるから女の児——だとリボンだね。——青いリボン。……幼稚ちいさくたってと限りもしないわね。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
家君さんが気抜けのようになッたと言うのに、幼稚ちいさおととはあるし、いもとはあるし、お前さんも知ッてる通り母君おッかさん死去ないのだから、どうしても平田が帰郷かえッて、一家の仕法をつけなければならないんだ。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
……年紀としは、うさね、七歳ななつ六歳むっつぐらゐな、色の白い上品な、……男の児にしては綺麗きれい過ぎるから女の児——だとリボンだね。——青いリボン。……幼稚ちいさくたつてと限りもしないわね。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)