“おさな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
47.2%
30.1%
14.6%
幼少4.1%
幼稚3.3%
0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
K—は、郷里では名門の子息むすこで、おさない時分、笹村も学校帰りに、その広い邸へ遊びに行ったことなどが、おぼろげに記憶に残っていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
初秋の空は晴れわたって、午後のざしはこのおさな一団いちだんを、白くかわいた道のまん中に、異様さをみせてうしろかららしていた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
いつも陣地を守ってだけはいて、おさない Neugierde と余計な負けじ魂との為めに、おりおり不必要な衝突をしたに過ぎない。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
……わたくし幼少おさない時より両親ふたおやに死に別れまして、親身しんみの親孝行も致しようのない身の上とて、この上はただ御楼主様ごないしょさまの御養育の御恩を、一心にお返しするよりほかに道はないと
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
節は平家、曲は「小督こごう」、声も音も未だ幼稚おさなく、人に聞かせて金を得るほどの、えもたくみもなかったがいつまでも立ち去ろうとはしなかった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
桑生そうせい泝州そしゅうの生れであって、名はぎょうあざな子明しめいおさない時に両親に死別れて紅花埠こうかほという所に下宿していた。
蓮香 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)