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幼
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おさな
ふりがな文庫
“
幼
(
おさな
)” の例文
と
言
(
い
)
って、あたりを
見𢌞
(
みまわ
)
した
時
(
とき
)
の
袖子
(
そでこ
)
は
何
(
なに
)
がなしに
悲
(
かな
)
しい
思
(
おも
)
いに
打
(
う
)
たれた。その
悲
(
かな
)
しみは
幼
(
おさな
)
い
日
(
ひ
)
に
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
げて
行
(
ゆ
)
く
悲
(
かな
)
しみであった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
初秋の空は晴れわたって、午後の
陽
(
ひ
)
ざしはこの
幼
(
おさな
)
い
一団
(
いちだん
)
を、白くかわいた道のまん中に、異様さをみせてうしろから
照
(
て
)
らしていた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
それは
丁度
(
ちょうど
)
、
幼
(
おさな
)
い
時
(
とき
)
から
別
(
わか
)
れ
別
(
わか
)
れになっていた
母
(
はは
)
と
子
(
こ
)
が、
不図
(
ふと
)
どこかでめぐり
合
(
あ
)
った
場合
(
ばあい
)
に
似通
(
にかよ
)
ったところがあるかも
知
(
し
)
れませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
以て芭蕉が客観的叙述を
難
(
かた
)
しとしたる事見るべし。木導の句悪句にはあらねどこの一句を第一とする芭蕉の見識は極めて低く極めて
幼
(
おさな
)
し。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
声をかけると、井戸端で
炊
(
かし
)
ぎの米を磨いでいた彼の女房らしい女と、その女の周囲に寄りたかッていた
幼
(
おさな
)
い子供達が、一斉に彼を迎えました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
そのうちに、
上
(
うえ
)
のほうの
子供
(
こども
)
たちは、六
年
(
ねん
)
の
修業
(
しゅぎょう
)
を
終
(
お
)
えて、
学校
(
がっこう
)
から
出
(
で
)
てゆきました。そして、また、
幼
(
おさな
)
い
子供
(
こども
)
たちが、
新
(
あたら
)
しく
入
(
はい
)
ってきました。
学校の桜の木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
小さく
畳
(
たた
)
んで、
幼
(
おさな
)
い方の手にその(ことづけ)を渡すと、ふッくりした
頤
(
おとがい
)
で、
合点々々
(
がてんがてん
)
をすると見えたが、いきなり二階家の方へ
行
(
ゆ
)
こうとした。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ソログーブは
幼
(
おさな
)
い
時
(
とき
)
から
母
(
はは
)
の
奉公先
(
ほうこうさき
)
の
邸
(
やしき
)
で、
音楽
(
おんがく
)
や
演劇
(
えんげき
)
などに
親
(
した
)
しむ
機会
(
きかい
)
を
持
(
も
)
ち、
読書
(
どくしょ
)
に
対
(
たい
)
する
深
(
ふか
)
い
趣味
(
しゅみ
)
を
養
(
やしな
)
われた。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
おせんが
慕
(
した
)
う
菊之丞
(
きくのじょう
)
は、
江戸中
(
えどじゅう
)
の
人気
(
にんき
)
を
背負
(
せお
)
って
立
(
た
)
った、
役者
(
やくしゃ
)
の
菊之丞
(
きくのじょう
)
ではなくて、かつての
幼
(
おさな
)
なじみ、
王子
(
おうじ
)
の
吉
(
きち
)
ちゃんその
人
(
ひと
)
だったのだから。——
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
シートン氏は
幼
(
おさな
)
いころから動物が
大好
(
だいす
)
きで、動物に関する物語と絵をかくことを一
生懸命
(
しょうけんめい
)
勉強しました。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
人事
(
ひとごと
)
我事
(
わがこと
)
分別
(
ふんべつ
)
をいふはまだ
早
(
はや
)
し、
幼
(
おさな
)
な
心
(
ごゝろ
)
に
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
の
花
(
はな
)
のみはしるく、
持
(
もち
)
まへの
負
(
ま
)
けじ
氣性
(
ぎせう
)
は
勝手
(
かつて
)
に
馳
(
は
)
せ
廻
(
まわ
)
りて
雲
(
くも
)
のやうな
形
(
かたち
)
をこしらへぬ、
氣違
(
きちが
)
ひ
街道
(
かいだう
)
、
寢
(
ね
)
ぼけ
道
(
みち
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そして
彼
(
かれ
)
がえらい
音楽家
(
おんがくか
)
になったのは、ゆたかな
天分
(
てんぶん
)
と
苦
(
くる
)
しい
努力
(
どりょく
)
とによるのですが、また
幼
(
おさな
)
い
時
(
とき
)
にゴットフリートから
受
(
う
)
けた
教訓
(
きょうくん
)
は、ふかく
心
(
こころ
)
にきざみこまれていて
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
釣瓶
(
つるべ
)
うつしに冷たい水で顔をしめしながら、女は、幾年にもなくふと甘い
幼
(
おさな
)
ごころに返った。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
訝
(
をかし
)
な事には、少し離れて寫すと、顏が長くなつたり、
扁
(
ひらた
)
くなつたり、目も鼻も
歪
(
ゆが
)
んで見えるのであつたが、お定は
幼
(
おさな
)
心に、これは鏡が餘り大き過ぎるからだと考へてゐたものだ。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
わたしの、活発に
鋭敏
(
えいびん
)
に
働
(
はたら
)
く
幼
(
おさな
)
い
想像
(
そうぞう
)
と
好奇心
(
こうきしん
)
は、この一つのことにばかり
働
(
はたら
)
いた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
一首の意は、死んで行くこの子は、未だ
幼
(
おさな
)
い童子で、
冥土
(
めいど
)
の道はよく分かっていない。冥土の番人よ、よい贈物をするから、どうぞこの子を背負って通してやって呉れよ、というのである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
ひたすらに
幼
(
おさな
)
く 澄む
貧しき信徒
(新字新仮名)
/
八木重吉
(著)
早口にならべたてるのを、にこにこ笑いながらお母さんは聞いていたが、やがて、
幼
(
おさな
)
い子どもでもたしなめるようにいった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
いつぞや
叡山
(
えいざん
)
の無動寺から峰越えして大津へかかる途中の峠茶屋で五年越しの誤解を解き、お互いが
幼
(
おさな
)
友達の昔に返って
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
独身
(
ひとりみ
)
で
居
(
お
)
りましたが、それには
深
(
ふか
)
い
理由
(
わけ
)
があるのです……。
実
(
じつ
)
は……
今更
(
いまさら
)
物語
(
ものがた
)
るのもつらいのですが、
私
(
わたくし
)
には
幼
(
おさな
)
い
時
(
とき
)
から
許嫁
(
いいなつけ
)
の
人
(
ひと
)
がありました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それを
見
(
み
)
るうちに、お
母
(
かあ
)
さんの
目
(
め
)
の
中
(
なか
)
に、
熱
(
あつ
)
い
涙
(
なみだ
)
がわいてきました。その
幼
(
おさな
)
げな
文字
(
もじ
)
で、すぐに、だれが、
書
(
か
)
いたかということがわかったからです。
幼き日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しばしおせんは、
俯向
(
うつむ
)
いたまま
眼
(
め
)
を
閉
(
と
)
じていた。その
眼
(
め
)
の
底
(
そこ
)
を、
稲妻
(
いなづま
)
のように、
幼
(
おさな
)
い
日
(
ひ
)
の
思
(
おも
)
い
出
(
で
)
が
突
(
つ
)
ッ
走
(
ぱし
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
たゞ
南谿
(
なんけい
)
が
記
(
しる
)
したる
姉妹
(
きやうだい
)
の
此
(
こ
)
の
木像
(
もくざう
)
のみ、
外
(
そと
)
ヶ
浜
(
はま
)
の
砂漠
(
さばく
)
の
中
(
なか
)
にも
緑水
(
オアシス
)
のあたり
花菖蒲
(
はなあやめ
)
、
色
(
いろ
)
のしたゝるを
覚
(
おぼ
)
ゆる
事
(
こと
)
、
巴
(
ともえ
)
、
山吹
(
やまぶき
)
の
其
(
それ
)
にも
優
(
まさ
)
れり。
幼
(
おさな
)
き
頃
(
ころ
)
より
今
(
いま
)
も
亦然
(
またしか
)
り。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
人形
(
にんぎょう
)
に
着
(
き
)
せる
着物
(
きもの
)
だ
襦袢
(
じゅばん
)
だと
言
(
い
)
って
大騒
(
おおさわ
)
ぎした
頃
(
ころ
)
の
袖子
(
そでこ
)
は、いくつそのために
小
(
ちい
)
さな
着物
(
きもの
)
を
造
(
つく
)
り、いくつ
小
(
ちい
)
さな
頭巾
(
ずきん
)
なぞを
造
(
つく
)
って、それを
幼
(
おさな
)
い
日
(
ひ
)
の
楽
(
たの
)
しみとしてきたか
知
(
し
)
れない。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
パリの町の中に深くはいればはいるほど、見るものごとにわたしの
幼
(
おさな
)
い
夢想
(
むそう
)
とだんだんへだたるようになった。こおりついたみぞからは、なんともいえないくさいいきれが立っていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
しかし
幼
(
おさな
)
い二人の子をかかえた未亡人の彼女もまた、やはり後藤先生と同じく、よろこんで岬へゆかねばならなかったのだ。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
そのよごれた
手
(
て
)
を
見
(
み
)
るうち、ふと
幼
(
おさな
)
いころ、おまえの
手
(
て
)
はだれに
似
(
に
)
て、まるくて、かわいらしいのだろうと、よくいったことが、
記憶
(
きおく
)
にうかんだのです。
かざぐるま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「じつは当寺の裏山、
扇山
(
せんざん
)
の奥に、わたしの
幼
(
おさな
)
なじみがおります。久しぶりで、その友だちに会いたいとおもいまして、はるばる
尋
(
たず
)
ねてまいったのです」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私
(
わたくし
)
の
幼
(
おさな
)
い
時分
(
じぶん
)
には
祖父
(
ぢぢ
)
も
祖母
(
ばば
)
もまだ
存命
(
ぞんめい
)
で、それはそれは
眼
(
め
)
にも
入
(
い
)
れたいほど
私
(
わたくし
)
を
寵愛
(
ちょうあい
)
してくれました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
そして諸国を行脚なすった内のおもしろい
談
(
はなし
)
をといって
打解
(
うちと
)
けて
幼
(
おさな
)
らしくねだった。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
年
(
とし
)
からいえば五つの
違
(
ちが
)
いはあったものの、おなじ
王子
(
おうじ
)
で
生
(
うま
)
れた
幼
(
おさな
)
なじみの
菊之丞
(
きくのじょう
)
とは、けし
奴
(
やっこ
)
の
時分
(
じぶん
)
から、
人
(
ひと
)
もうらやむ
仲好
(
なかよ
)
しにて、ままごと
遊
(
あそ
)
びの
夫婦
(
めおと
)
にも、
吉
(
きち
)
ちゃんはあたいの
旦那
(
だんな
)
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
こんな
幼
(
おさな
)
い
子供
(
こども
)
が
袖子
(
そでこ
)
の
家
(
いえ
)
へ
連
(
つ
)
れられて
来
(
き
)
てみると、
袖子
(
そでこ
)
の
父
(
とう
)
さんがいる、
二人
(
ふたり
)
ある
兄
(
にい
)
さん
達
(
たち
)
もいる、しかし
金之助
(
きんのすけ
)
さんはそういう
人達
(
ひとたち
)
までも「ちゃあちゃん」と
言
(
い
)
って
呼
(
よ
)
ぶわけではなかった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
もう、
長
(
なが
)
く
入院
(
にゅういん
)
しているので、
少年
(
しょうねん
)
はやせて、
年
(
とし
)
よりも
幼
(
おさな
)
く
見
(
み
)
えるので、かの
女
(
じょ
)
には、いじらしかったのでした。
だまされた娘とちょうの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「そうですか。それを聞いて、何やらこの筑前までが、ほっと安心いたした。中村にいた頃からの
幼
(
おさな
)
友達ですからな。いつも思い出すごとに、幸せを祈っていたものです」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
而
(
そ
)
して
諸国
(
しよこく
)
を
行脚
(
あんぎや
)
なすつた
内
(
うち
)
のおもしろい
談
(
はなし
)
をといつて
打解
(
うちと
)
けて
幼
(
おさな
)
らしくねだつた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おまえさんは、
幼
(
おさな
)
いけれど、なかなかしっかりしていなさる。それなら、
町
(
まち
)
へいっても
人間
(
にんげん
)
に
捕
(
と
)
らえられるようなことはあるまいから、
見
(
み
)
てきなさるがいい。
春がくる前
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
つづいて、一
山
(
ざん
)
の
僧侶
(
そうりょ
)
たちは、
幼
(
おさな
)
い
侍童
(
わらわ
)
のものまで、楼門の上にひしひしとつめのぼった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
抱
(
だ
)
いても
腕
(
うで
)
に
乗
(
の
)
つたのに……と
肩越
(
かたごし
)
に
見上
(
みあ
)
げた
時
(
とき
)
、
天井
(
てんじやう
)
の
蔭
(
かげ
)
に
髪
(
かみ
)
も
黒
(
くろ
)
く
上
(
うへ
)
から
覗込
(
のぞきこ
)
むやうに
見
(
み
)
えたので、
歴然
(
あり/\
)
と、
自分
(
じぶん
)
が
彫刻師
(
てうこくし
)
に
成
(
な
)
つた
幼
(
おさな
)
い
時
(
とき
)
の
運命
(
うんめい
)
が、
形
(
かたち
)
に
出
(
で
)
て
顕
(
あら
)
はれた……
雨
(
あめ
)
も
此
(
こ
)
の
朧夜
(
おぼろよ
)
を
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
母親
(
ははおや
)
は、まだ
幼
(
おさな
)
い
弟
(
おとうと
)
の
守
(
も
)
りをしながら、
内職
(
ないしょく
)
に
忙
(
いそが
)
しいからです。そして、
北国
(
ほっこく
)
は、いま
冬
(
ふゆ
)
の
最中
(
さいちゅう
)
でした。
おきくと弟
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
幼
(
おさな
)
友達の要助は、中野宿の川魚茶屋で、酒の支度をして、彼を待っていた。
脚
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
子供
(
こども
)
は、まだ、
幼
(
おさな
)
かったので、
道
(
みち
)
を
迷
(
まよ
)
って、
知
(
し
)
らぬ
間
(
ま
)
に、どこか
遠方
(
えんぽう
)
の
方
(
ほう
)
へいってしまったとみえます。
春
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「では……そなたは、お父君のおいたつきが
癒
(
なお
)
るようにと、その小さい手で、
御仏
(
みほとけ
)
の
像
(
かたち
)
を作っていたのですか。……そうかや?」
頭髪
(
つむり
)
をなでると十八公麿は、母の
睫毛
(
まつげ
)
を見あげて、
幼
(
おさな
)
ごころにも
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると、
年
(
とし
)
こそ
幼
(
おさな
)
いが、りこうそうなうぐいすは、
木
(
き
)
のいうことを
頭
(
あたま
)
を
傾
(
かたむ
)
けて
聞
(
き
)
いていましたが
春がくる前
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、
幼
(
おさな
)
げな優しい書体でかいてあった。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
金
(
きん
)
さんは、
幼
(
おさな
)
い
時分
(
じぶん
)
から、
親方
(
おやかた
)
に
育
(
そだ
)
てられて、
両親
(
りょうしん
)
を
知
(
し
)
りませんでした。らんの
花
(
はな
)
の
香
(
かお
)
る
南
(
みなみ
)
の
支那
(
しな
)
の
町
(
まち
)
を、
歩
(
ある
)
きまわって、
日本
(
にっぽん
)
へ
渡
(
わた
)
ってきたのは、十二、三のころでした。
春風の吹く町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
某幼稚園
(
ぼうようちえん
)
では、こんど
陸軍病院
(
りくぐんびょういん
)
へ
傷痍軍人
(
しょういぐんじん
)
たちをおみまいにいくことになりましたので、このあいだから
幼
(
おさな
)
い
生徒
(
せいと
)
らは、
歌
(
うた
)
のけいこや、バイオリンの
練習
(
れんしゅう
)
に
余念
(
よねん
)
がなかったのです。
少女と老兵士
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
明
(
あ
)
くる
日
(
ひ
)
から、
木
(
き
)
は、
幼
(
おさな
)
いうぐいすのことが
気
(
き
)
にかかってなりませんでした。
春がくる前
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いくつか
病棟
(
びょうとう
)
があったが、この
幼
(
おさな
)
い
子供
(
こども
)
たちの
向
(
む
)
かったのは、いちばん
後方
(
こうほう
)
にあった、
白
(
しろ
)
い
病舎
(
びょうしゃ
)
でした。そうじのゆきとどいた、
大
(
おお
)
きなへやの
中
(
なか
)
には、
幾列
(
いくれつ
)
となくベッドが
整
(
ただ
)
しく
並
(
なら
)
んでいました。
少女と老兵士
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼
(
かれ
)
は、
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
けて
戸口
(
とぐち
)
に
出
(
で
)
ると、
青
(
あお
)
ざめた
星晴
(
ほしば
)
れのした
空
(
そら
)
は、
忘
(
わす
)
れていた、なつかしい
幼
(
おさな
)
い
日
(
ひ
)
の
物語
(
ものがたり
)
をしてくれますので、しばらくその
昔語
(
むかしがた
)
りにききとれて、じっと
目
(
め
)
をみはっていると、
遠
(
とお
)
くで
花の咲く前
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二人
(
ふたり
)
ともひじょうにうれしそうで、
姉
(
あね
)
のほうが、
石
(
いし
)
けりのまねをすると、
弟
(
おとうと
)
もそのまねをするし、
姉
(
あね
)
が
飛
(
と
)
び
上
(
あ
)
がって、なわ
飛
(
と
)
びのまねをすると、
幼
(
おさな
)
い
弟
(
おとうと
)
も、それと
同
(
おな
)
じかっこうをしたのであります。
汽車は走る
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
幼
常用漢字
小6
部首:⼳
5画
“幼”を含む語句
幼児
幼少
幼稚
幼馴染
幼名
幼心
幼兒
幼稚園
幼童
幼時
幼子
幼穉
幼々
幼年
幼気
童幼
幼女
幼弱
老幼男女
老幼
...