“馳”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
は55.6%
か28.2%
はし7.8%
ば3.8%
かけ2.1%
はせ1.0%
ハ0.5%
が0.2%
はしる0.2%
ぱし0.2%
ま0.2%
カ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
汝は汝の信ずるごとく今地上にあるにあらず、げに己が處を出でゝ馳(は)する電光(いなづま)疾(はや)しといへども汝のこれに歸るに及ばじ。 九一—九三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
四五日(しごんち)すると夫人が来る。そこで今度は二人してまた東西南北を馳(か)け廻った揚句の果(はて)やはりチェイン・ローが善(い)いという事になった。
カーライル博物館 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
車は馳(はし)り景は細かく移るごとに、変った岸べの蛍が先刻見た光とはべつなあたらしい光を点じ、そしてその幾つかは舞い上っていた。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
「失敗(しま)ッた」と口へ出して後悔して後(おく)れ馳(ば)せに赤面。「今にお袋が帰ッて来る。『慈母さんこれこれの次第……』失敗(しま)ッた、失策(しくじ)ッた」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
彼女はいきなり自動車から引出された男のそばに馳(かけ)寄った。そこにぐったり寝て、顳顬(こめかみ)に血の塊りをつけた男は木島三郎であった。
腐った蜉蝣 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
鮫ヶ橋に馳(はせ)戻りて、一部始終を告げ知らせばお丹、「ふむ。」といったきり。しばらくものも謂わざりしが、やがて歎息して
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
横佩墻内(ヨコハキカキツ)に住む限りの者は、男も、女も、上(ウハ)の空になつて、洛中洛外を馳(ハ)せ求めた。さうした奔(ハシ)り人(ビト)の多く見出される場処と言ふ場処は、残りなく捜された。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
十列競馬(とつらけいば)は、十騎争い。十番競馬は、二騎馳(が)けで、十たびの競走をするのである。馬場は、直線がならわしだった。馬出しから、決勝点の標識まで、まッ直(すぐ)に走ったきりで勝負がつく。
流年 猋(はやく)馳(はしる)を嘆く
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
実際僕の空想はどこまでとっ馳(ぱし)るか分らないんだ。
一枚の切符 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
瓦(かはら)が焼け落ちて、グワラ/\と凄(すご)い音を立てます。逃げ迷ふ女子供の泣き喚(わめ)く声やら、馳(ま)せまはる男達の足音、叫び声などワヤ/\ガヤ/\聞えて物凄(ものすご)い有様でした。
拾うた冠 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
筋ばしるやうに、彼の人のからだに、血の馳(カ)け廻るに似たものが、過ぎた。肱を支へて、上半身が闇の中に起き上つた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)