“後方”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うしろ78.7%
あと7.1%
こうほう5.5%
しりえ3.1%
しりへ3.1%
あちら0.8%
うしろで0.8%
こうはう0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ソクラテスの死をあらわした例の古い銅版画の掛った壁を後方うしろにして、寝台に近く岸本は腰掛けた。そして自分の半生を思い続けた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
後方あとが長浜、あれが弁天島。——自動車は後眺望あとながめがよく利きませんな、むこうに山が一ツ浮いていましょう。淡島です。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こう注意ちゅういしてやると、後方こうほうから、前線ぜんせんおくられたばかりの、わか兵士へいし一人ひとりが、目前もくぜんで、背嚢はいのうをおろして、そのうちあらためていました。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
が、いまだに姥の力が、彼に影響しているものと見え、足にも腕にも力がなく、後方しりえへドッと仆れてしまった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
我等はじめてかの針眼はりのめを出づるをえたり、されど山後方しりへにかたよれる高き處にいたりて、我等自由に且つゆるやかになれるとき 一六—一八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それが戦争後もずつとその儘やして置かれるか、うかといふ事が、後方あちらでは今好事家かうずか仲間の話題になつてゐる。
正面しやうめん本院ほんゐんむかひ、後方こうはう茫廣ひろ/″\とした野良のらのぞんで、くぎてた鼠色ねずみいろへい取繞とりまはされてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)