“祖父”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
じい42.5%
ぢい10.1%
おじい8.8%
そふ7.5%
おぢい4.8%
じじ4.8%
じじい3.9%
おほぢ1.8%
おじいさん1.3%
ぢぢ1.3%
(他:30)13.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“祖父”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語30.8%
文学 > ロシア・ソヴィエト文学 > 小説 物語11.3%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸11.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「その鬼頭の叔父がお祖父じいさんを裏切って敵に廻った、その上阿蘇の麓で一緒に生活していた、四人の人の住所もわからない」
九つの鍵 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
彼は小供の時分よく江戸時代の浅草を知っている彼の祖父じいさんから、しばしば観音様かんのんさま繁華はんかを耳にした。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
栄蔵はお祖父ぢいさんやお祖母ばあさんや、若いお父さんお母さんに可愛かはいがられて成長した。四つになり五つになる。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
祖父ぢいさんもこひしがつておいでなされたものをとはれて、また今更いまさらにうらかなしく
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「今朝お前に話した通り、祖父おじいさんが五十年ほど昔に、山𤢖やまわろさらわれた小児こどもを助けたことが有る。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
正直で、根気こんきよくて、目をパチクリさせるような癖のあるところまで、なんとなく太郎は義理ある祖父おじいさんに似てきた。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
祖父そふにいたっては自分の前ばかりに気を取られて、自由の片手かたてでしじゅうさらから口へがつがつ運んでいた。
わたしがぬれてどろをかぶった足を炉にのばすと、祖父そふはうるさい古ねこが来たというように、つんと向こうを向いてしまった。
つて、おゆうさんのうちからも、つきたての燒米やきごめをよく祖父おぢいさんのところへもらひました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
かすかに記憶えてゐる所によれば、私が四歳よつつの年に祖父おぢいさんが死んで、狭くもない家一杯に村の人達が来た。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
やがてわたくし祖父じじ……わたくしより十ねんほどまえ歿なくなりました祖父じじれて
「何の、お賑やかで何よりでございます。私共ももう直ぐお祖父じじさま、お祖母ばばさまでございますが、お宅では?」
伊太利亜の古陶 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
祖父じじいは私共の知っておりました時分でも、猫は大嫌いなんで御座ございます。私共が所好すきで飼っておりましても、
「ああしんど」 (新字新仮名) / 池田蕉園(著)
その音がつまり、私の祖父じじいの耳に聞えたんです。それから、その女郎屋の主人は、祖父じじいところむかいに来たんです。
夜釣の怪 (新字新仮名) / 池田輝方(著)
その耳面刀自と申すのは、淡海公の妹君、姫様方の祖父おほぢ南家なんけ太政だいじやう大臣には、叔母様にお当りになつてゞ御座りまする。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ときに、祖父おほぢわがまゝのわびだと言つて、麻袋あさぶくろを、烏帽子えばうしれたまゝ雪枝ゆきえゆづつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
アンポンタンはこの祖父おじいさん歿後ぼつご、母が嫁して来たので、生きていた日は知らないが、善良な小市民の見本であったらしい。
ある夜押込みがはいって、祖父おじいさんの頬っぺたを白刃しらはたたいて起した。
私はお祖父ぢぢさまの、機嫌きげんのよくなつたを見済まして、そばへすりよりて、財布の中をのぞました。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
こゝは祖父ぢぢ書物かきものをする書斎で、母は中に取り散らした紙や本などの片づけに来たのでした。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
さて、ものの百年も前には、死んだ祖父ぢぢいの話では、こんな村など、誰ひとり知つてゐる者は無かつたさうぢや。
そこでわしたち子供一同は一塊りに寄りたかつて、老いこんでもう五年の余も煖炉ペチカから下りて来ない祖父ぢぢいの話に聴き入つたものぢや。
その耳面刀自と申すは、淡海公の妹君、郎女の祖父オホヂ南家太政ナンケダイジヤウ大臣には、叔母君にお当りになつてゞおざりまする。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
その耳面刀自と申すは、淡海公の妹君、郎女の祖父オホヂ南家ナンケ太政ダイジヤウ大臣には、叔母君にお當りになつてゞおざりまする。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
その耳面刀自と申すは、淡海公の妹君、郎女の祖父おおじ南家太政大臣なんけだいじょうだいじんには、叔母君にお当りになってでおざりまする。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
祖父おおじ伯叔父おじおじ、一統いずれも故人だが、揃って能楽師だった母方のその血をうけて、能が好きだから、間を見ては舞台をのぞく。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私の知つとる程の人が、皆な寄つて来るよ、——お前の阿父おとつさんも来る、阿母おつかさんも来る、祖父おぢいさん祖母おばあさんも来なさる、——れに、長二
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
だ血の気の生々なま/\した頃は、人に隠れて何程どれほど泣いたか知れないよ、お前の祖父おぢいさん昔気質むかしかたぎので、仮令たとひ祝言しうげんさかづきはしなくとも
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
お前はこの家の主人となる身だったのだ。わしは何でもお前の言うことを聞いてやるはずだったのだ、この老いぼれたばかな祖父じいさんをお前は思うとおりにすることができたのだ。お前はそれをよく知っていながら、『いや、彼は王党だ、彼の所へ行くもんか、』と言った。
「実はその人を歎美して申すのですから、景気よくお話はしますけれども、第一てまえがもうこういう内にも、(難有ありがたう)といって、人の志を無にせん風で、最中もなかを取って、親か、祖父じいさんの前ででもあるように食べなすった可愛らしさが、今でも眼前めさきにちらついてならんでがすて。」
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「お祖父ぢゝそつくりやぞな。」
町の踊り場 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
驚いて、これを村の世話役に報告する、湯田中の重右衛門に使を出す、と、重右衛門は遊廓の二階で、大睾丸を抱へて大騒を遣つて居る最中だつたさうで、祖父ぢゝが死んだといふ悲むべき報知を聞いても、更に涙一つこぼさうでもなく
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
一月号の「けい」では私上野の祖父おじを思い出して一生懸命に拝見いたしました。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
「そうか、それはよくしてくれた。お前が祖父おじじ祖母おばばの側にいてくれるなら、おれも安心して冥土へ帰ることができる」
生霊 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
まあ、それはともかく、久々のご挨拶を申しましょう。……祖父おじじ祖母おばば、お久しゅうございました。お息災でなによりです。
生霊 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
棚畑の煙草の花の夏霞祖父おほちちのみ墓今ぞ飛び越ゆ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
なにも、家伝かでん秘法ひはふふて、勿体もつたいけるでねえがね……祖父おんぢいだいからことを、やう見真似みまねるでがすよ。」
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そう致しますと、北の方とは五十以上も違っておいでになると云う訳で、それではあまりあの北の方がおいとおしい。世に珍しい美女にお生れになりながら、りに選って祖父おゝじ曾祖父ひいおゝじのような夫をお持ちなされたのでは、さぞ御不満なことがおありであろう。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「そんなら、お祖父やんのうしろへ随いて来るか。しんどてもかめへんか。」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
が、ただひとつ、昼間客のすくない時の退屈は、なんとも覚えのない悲しさで「走りごくで一等とったさかい、お祖父やんも安心してお前を働きに出せる。人間はらくしよ思たらあかん」という祖父の言葉も全部わすれた。
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
勉が寝不足で蒼く乾いた顔を洗う間、祖父じっちゃんは草箒で格子の前あたりをちっと掃き、掃除のすんだ部屋へ上って坐った。
小祝の一家 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
それから出かけるまで時間があっても、勉は殆ど誰とも口をきかなかった。縁ばたに近い方へ腹這いになって本を読んだ。思い出したように祖父じっちゃんに向って、
小祝の一家 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
たれにも顔を合されないからいっその事一と思いに死のうというので、湯屋の裏口から駈出して小日向に参りましたのは、祖父じゞ祖母ばゞの葬ってある寺は小日向台町だいまち清巌寺せいがんじで有りますから参詣を致し
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いや權六許してくれ、どうも実に面目次第もない、く毀してくれた、あゝかたじけない、真実な者じゃ、なアる程左様……これは先祖が斯様な事を書遺かきのこしておいたので、わし祖父じゞいより親父も守り
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「さう思ふかい。所が物が本当に分かつてゐなくちやあ駄目だ。あつちのな、あの山の向うに、Senzamani と云ふ一族が住まつてゐる。今の主人の祖父いさんのカルロの遣つた事を聞いて見ると好い。お前もどうせ女房を持つのだから、あれを聞いて置いたら、ためになるだらう。」
センツアマニ (新字旧仮名) / マクシム・ゴーリキー(著)
今の主人の祖父いさんの代で、其人からさつき云つた、あのセンツアマニと云ふ名がはじまつたのだ。手ん坊と云ふのだな。山の葡萄畠が半分はカリアリス家の持物になつてゐた。酒を造るあなぐらが八つあつた。大桶が千以上も据ゑてあつただらう。其頃はフランスでもこつちの白葡萄酒の評判が好かつた。
センツアマニ (新字旧仮名) / マクシム・ゴーリキー(著)
祖父ぢいさんの代の田地でんちを何うか元のやうに恢復くわいふくして呉れと
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
おれは、祖父ぢゝい訓言通をしへどほり、蝋燭持らうそくもちをして高見たかみ見物けんぶつ
ちゝの考ではあにの介錯を自分がして、自分の介錯を祖父ぢゞに頼む筈であつたさうだが、能くそんな真似が出来るものである。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
祖父ぢゞが若い時分、撃剣の同門の何とかといふ男が、あまり技芸に達してゐた所から、ひと嫉妬ねたみを受けて、ある夜縄手みちを城下へ帰る途中で、だれかに斬り殺された。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
男の祖先と女の祖先(此を祖父オシユマイ祖母アツパアといふ)とが眷属を連れて招かれた家々に行つて、楽器を奏し芸尽しなどをするが、大人前オシユマイが時々立つて、色々な教訓を家人に与へ、又従来の過・手落ちを咎めたりする。