トップ
>
祖父
>
ぢい
ふりがな文庫
“
祖父
(
ぢい
)” の例文
「つまりほら、家のお
祖父
(
ぢい
)
さんはあんなに若かつたのだとか家のお
祖母
(
ばあ
)
さんはあんなに美しかつたのだと話される時が来ると云ふんだ。」
静物
(新字旧仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
「
祖父
(
ぢい
)
さまが恋をしてゐるさうだ。本当かどうか、訊いてみようぢやないか」「本当だつたら、老の慰めに叶へさせてあげようぢやないか」
枕物狂
(新字旧仮名)
/
川田順
(著)
其中に、一円の金貨が六ツか八ツも
有升
(
ありまし
)
たがお
祖父
(
ぢい
)
さまは
軈
(
やが
)
て其
一
(
ひとつ
)
をとり
出
(
いだ
)
して麗々とわたしの手の
掌
(
ひら
)
へ
戴
(
のせ
)
て
下
(
くださ
)
つた時、矢張
冗談
(
じようだん
)
かと思ひ
升
(
まし
)
た。
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
小さい者が大きくなるとき、年とつた者はこの世から
亡
(
ほろ
)
びてゆく。栄蔵のお
祖父
(
ぢい
)
さん、お
祖母
(
ばあ
)
さんは死んでしまつた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
お
祖父
(
ぢい
)
さんやお
祖母
(
ばあ
)
さんは、もうとつくになくなつてしまひました。お父さんも、もうだいぶ年よりになりました。
湖水の鐘
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
▼ もっと見る
たとえば、今生きていて、そしてその子供がもう子供を持ってる、という、お
祖父
(
ぢい
)
さん級の人間だ。
山谿に生くる人々:――生きる為に――
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
我等は遂に世間と戰ふべき身なり、
祖父
(
ぢい
)
なき後は何處にゆきても人の心はつれなければ、夢いさゝかも他人に心をゆるさず、人我れにつらからば我れも人につらくなして
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「おれがお前の
親父
(
おやぢ
)
だ、
祖父
(
ぢい
)
だ、家を出た日には、まだ若かつた、今日は年寄つたリツプ、フアン、ヰンクルだ。まあ此多人数の
中
(
なか
)
に、誰もおれを見覚えた人はないか、」
新浦島
(新字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
お
祖父
(
ぢい
)
樣は
被蔽
(
おつかぶ
)
せて、「それなら、もう止せ、止せ! 幾ら捕へて來たツて、螢といふ奴は、露を吸ツて
生
(
い
)
きてゐる蟲だから、
明
(
あす
)
の朝日が出ると、みんな消えて
了
(
しま
)
うのだ。」
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「お前の
祖父
(
ぢい
)
の峰太郎はお前の親父の峰之助に殺され、峰之助は牢死したといふでは無いか」
銭形平次捕物控:246 万両分限
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何
(
なん
)
と、お
祖父
(
ぢい
)
さん、
情無
(
なさけな
)
い
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
となったではござらぬか、
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
流行
(
りうかう
)
を
仕入𢌞
(
しいれまは
)
って
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
お
祖父
(
ぢい
)
さんやお
祖母
(
ばあ
)
さんが、たまにゆつくりお守をさせてくれつていふんだね。わしも孫の顔を早く見たいが、なにしろ、あの息子が嫁を貰ふまでにや、まだ大分暇がかかる。
五月晴れ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
お
祖父
(
ぢい
)
さんの咄で、お
祖父
(
ぢい
)
さんのお祖父さんが
此淵
(
ここ
)
へ沈んだ時は三日たつても死骸が上らず、
取
(
とり
)
に
入
(
はひ
)
つた番頭まで出られなくなつて、しまひには
如何
(
どう
)
とかして擔ぎ
上
(
あ
)
げたと聞いた。
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
祖父
(
ぢい
)
も
祖母
(
ばあ
)
も四五年前に死んで、お定を頭に男児二人、家族といつては其丈で、長男の定吉は、年こそまだ十七であるけれども、身体から働振から、もう立派に
一人
(
ひとり
)
前の若者である。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
彼の後の
襖
(
ふすま
)
が、けたたましく
開放
(
あけはな
)
されなかつたら、さうして「お
祖父
(
ぢい
)
様唯今。」と云ふ声と共に、柔かい小さな手が、彼の
頸
(
くび
)
へ抱きつかなかつたら、彼は恐らくこの
憂欝
(
いううつ
)
な気分の中に
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
丁度自分の
祖父
(
ぢい
)
さんか、
父親
(
おやぢ
)
かが、山を売り
畑
(
はた
)
を売り、桐の木を売り、釣つた鯰を売つて儲けた金をそつくり大原氏に預けて置きでもしたやうに、お礼一つ言はないで、平気で貰つて帰る。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
今は半分
盲目
(
めくら
)
のその子の
祖父
(
ぢい
)
に仕へて羨しいほど仲睦じく暮して居るといふ。自分はその子を抱いてみた。割合ませた口を利く。なるほど見れば見るほど氣味のわるいまで亡き友に
酷似
(
こくじ
)
して居る。
古い村
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
「いよいよお
祖父
(
ぢい
)
さんになるんだよ。」と云つた。
父を売る子
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
一平は、お
祖父
(
ぢい
)
さんの一助に、たいへん孝行です。
木曽の一平
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
『お
祖父
(
ぢい
)
さんの
好
(
す
)
きな
惠那山
(
ゑなやま
)
は
奈何
(
どんな
)
でせう。』
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
お
祖父
(
ぢい
)
さまは此時
冗談
(
じようだん
)
半分に革の大きい金入れを出し、中をあちらこちらと
反
(
かへ
)
して見て居られました。さうして
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
私はお
祖父
(
ぢい
)
さんに何と言つて叱られて出て來たと思つておくれかい。それもお祖父さんも私も、まさかこんな非度い怪我だらうとは思はないでの話だよ。
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
栄蔵はお
祖父
(
ぢい
)
さんやお
祖母
(
ばあ
)
さんや、若いお父さんお母さんに
可愛
(
かはい
)
がられて成長した。四つになり五つになる。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
ほんに替り目で陽気が悪いけれど
太郎
(
たろ
)
さんは
何時
(
いつ
)
も
悪戯
(
おいた
)
をしてゐますか、
何故
(
なぜ
)
に今夜は連れてお
出
(
いで
)
でない、お
祖父
(
ぢい
)
さんも恋しがつてお出なされた物をと言はれて、又今更にうら悲しく
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「ええと——お
祖父
(
ぢい
)
様はね。今にもつとえらくなりますからね。」
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
家康の
祖父
(
ぢい
)
さんだけにこんな事にも
吝
(
しみ
)
つたれだつたと見える。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その花の向うに、お
祖父
(
ぢい
)
さまの水晶の御殿があるのです。水晶だから壁もすつかりすきとほつて、中に何千となくならんでゐる部屋/″\が一と目に見えます。
湖水の鐘
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
其中
(
そのうち
)
お
祖父
(
ぢい
)
さまが
摺
(
すり
)
ものの上へ筆の先で
一寸
(
ちよつと
)
蚯蚓
(
みみず
)
の
攀
(
よぢ
)
れた
様
(
やう
)
なものをお
書
(
かき
)
なすつたが見え
升
(
まし
)
たから、不思議で/\、黙つて居ようと思つても、
堪
(
こ
)
らへ切れませんで、ツイ
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
また、あるときは、お
祖父
(
ぢい
)
さんの耳の中に、毛が生えてゐることを克巳が見つけて
疣
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
ほんに
替
(
かは
)
り
目
(
め
)
で
陽氣
(
ようき
)
が
惡
(
わる
)
いけれど
太郎
(
たろ
)
さんは
何時
(
いつ
)
も
惡戯
(
おいた
)
をして
居
(
ゐ
)
ますか、
何故
(
なぜ
)
に
今夜
(
こんや
)
は
連
(
つ
)
れてお
出
(
いで
)
でない、お
祖父
(
ぢい
)
さんも
戀
(
こひ
)
しがつてお
出
(
いで
)
なされた
物
(
もの
)
をと
言
(
い
)
はれて、
又
(
また
)
今更
(
いまさら
)
にうら
悲
(
かな
)
しく
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
私
(
わたし
)
は父さまと一しよにいつて、お
祖父
(
ぢい
)
さまを見て来たい。」と言ひました。猟人は
星の女
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
母はさつきから、お
祖父
(
ぢい
)
さんへ出す手紙を書いてゐる。
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
祖
常用漢字
小5
部首:⽰
9画
父
常用漢字
小2
部首:⽗
4画
“祖父”で始まる語句
祖父様
祖父樣
祖父殿
祖父母
祖父祖母
祖父様方
祖父江出羽守
祖父上
祖父児
祖父君