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祖父殿
其の
祖父殿はの、
山伏の
姿した
旅の
修業者が、
道陸神の
傍に
病倒れたのを
世話して、
死水を
取らしつけ……
其の
修業者に
習つた
言ひます。
お
天守の
下へも
穴が
徹つて、お
城の
抜道ぢや
言ふ
不思議な
沼での、……
私が
祖父殿が
手細工の
船で、
殿様の
妾を
焼いたと
言つけ。
お
前様もの、
祖父殿の
真似をするだ、で、
私が
自由には
成んねえだ。
間違へて
先生だ、
師匠だ
言はつしやるなら、
祖父殿を
然う
呼ばらつせえ。