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祖父
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おじい
ふりがな文庫
“
祖父
(
おじい
)” の例文
女は可愛い自分の
祖父
(
おじい
)
さんでも抱くように七十歳の、だぶだぶした麻の詰襟服を着たアレキサンドル・ミハイロヴィッチの肩にさわった。
赤い貨車
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
アノ
祖父
(
おじい
)
ちゃんはね、恐ろしく怒ってるよ、お祖父ちゃんはね、アノ
彼
(
あ
)
んなやくざな者は無い、駄目だって、アノ
芸妓
(
げいしゃ
)
や何かに、アノ迷って
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其
(
その
)
当時の事だから、
祖父
(
おじい
)
さんも腰に刀を
佩
(
さ
)
していたので、
突然
(
いきなり
)
にひらりと
引抜
(
ひきぬ
)
いて、
背後
(
うしろ
)
から「待てッ」と声をかけた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ただ
中気
(
ちゅうき
)
で手足のきかぬ
祖父
(
おじい
)
さんと雇いばあさんがいるばかり、いつもはにぎやかな家もひっそりして、床の間の金太郎や
鐘馗
(
しょうき
)
もさびしげに見えた。
竜舌蘭
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
もとよりその女の
児
(
こ
)
に取って、
実家
(
さと
)
の
祖父
(
おじい
)
さんは、当時の蘭医(昔取った
杵
(
きね
)
づかですわ、と軽い口をその時交えて、)
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
祖父
(
おじい
)
さんは、百姓だった。その百姓から身を起して、一旗挙げようとした時に、これを刀鍛冶に
鍛
(
う
)
たせなすった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「うちへ帰れば悪口も言われようが、何といってもこんな貧乏しなくてもすむ、そればかりでない、お前の
祖父
(
おじい
)
さんも
祖母
(
おばあ
)
さんもどんなに喜ぶか知れん」
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
それから其後また山本町に移ったが、其頃のことで幼心にもうすうす覚えがあるのは、中徒士町に居た時に
祖父
(
おじい
)
さんが
御歿
(
おなく
)
なりになったこと位のものです。
少年時代
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
義雄兄はまた幼少の
時
(
ころ
)
から
貰
(
もら
)
われて行ってその母方の家を継いだ。義雄兄の養父——節子から言えば彼女の
祖父
(
おじい
)
さんは、岸本が母の実の兄にあたっていた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
わしがこれでも
古狸
(
ふるだぬき
)
であることを、お前は知らなかったんだ。どうだね。腹が立つかね。
祖父
(
おじい
)
さんを少しばかにしてやろうなどと思っても、そうはいかないさ。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「こんな可愛い孫があるのに、瓢々斎の
祖父
(
おじい
)
さんも、ろくに顔も見ずに死んだんだろう、気の毒な」
銭形平次捕物控:085 瓢箪供養
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ここにこういう形見を残していった人の
祖父
(
おじい
)
さんにあたる人は、恋愛、決闘、誘拐などと数々の浮名をながした挙句の果に、かれこれ六十五にもなろうという年をして
寡婦
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
「さあ、だれのだろうな。それは、おさるさんにきいてみるのが、いちばんいい。」と、
祖父
(
おじい
)
さんは、おっしゃいました。
二人
(
ふたり
)
は、こんどは、
子
(
こ
)
ざるのところへまいりました。
子ざると母ざる:母が子供に読んできかせてやる童話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
祖父
(
おじい
)
さんも
何時
(
いつ
)
帰りますことかねえ。」
旧聞日本橋:09 木魚の配偶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
お前の
祖父
(
おじい
)
さんが隣村まで
用達
(
ようたし
)
に出かけて、日が暮れてから帰って来た。
其
(
その
)
晩は
好
(
い
)
い月夜で二三町先まで
能
(
よ
)
く見える。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「しかし、叔父さん、私の家を御覧なさい——不思議なことには、代々若い時に家を飛出していますよ。第一、
祖父
(
おじい
)
さんがそうですし——
阿父
(
おやじ
)
がそうです——」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ここから一里ほど先の法典ヶ原に住んでいた馬子のせがれでございますが、
祖父
(
おじい
)
が以前、侍であったとかで、自分も大きくなるまでに、侍になるのだと口癖に申しております。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
子供を預けておいて、そして
祖父
(
おじい
)
さんが死んでしまう。まあなんて話なんでしょう。ほんとになんてことでしょう。ああ、あなたは生きていなさる! ほんとにありがたいことだ。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「蕨? 蕨は
祖父
(
おじい
)
さんが嫌いでな」と、それを手にとって見ようともしなかった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
二人
(
ふたり
)
は、たがいにいい
争
(
あらそ
)
って、
祖父
(
おじい
)
さんのところへききにきました。
子ざると母ざる:母が子供に読んできかせてやる童話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
祖父
(
おじい
)
さんの看病も私一人では
覚束
(
おぼつか
)
なし、
確
(
たしか
)
な後見をといった処で、また後見なんていうものは、あとでよく間違が出来るものだから、それよりか、いっそ私に……というので、親類中で相談を
極
(
き
)
めて
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこで、
祖父
(
おじい
)
さんは
其
(
そ
)
の赤児を拾って帰って、
燈火
(
あかり
)
の下で
熟
(
よく
)
視
(
み
)
ると、生れてから
十月
(
とつき
)
位にもなろうかと思われる男の児で、色の白い可愛い児であった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私はまた、
二人
(
ふたり
)
の子供の性質の相違をも考えるようになった。正直で、
根気
(
こんき
)
よくて、目をパチクリさせるような癖のあるところまで、なんとなく太郎は義理ある
祖父
(
おじい
)
さんに似てきた。
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
明日
(
あした
)
はもうここを去るというので、三之助は、こんな
茅屋
(
あばらや
)
でも、自分まで三代も住んだ小屋かとながめて、夜もすがら、
祖父
(
おじい
)
の思い出や、
祖母
(
おばあ
)
や
亡母
(
はは
)
のことなどを、武蔵へ話して聞かせた。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あなたの娘さんですか。まあ言わば、あなたはその
祖父
(
おじい
)
さんとでも?」
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
祖父
(
おじい
)
さんは、ただ
笑
(
わら
)
って、
返事
(
へんじ
)
にお
困
(
こま
)
りになりました。
子ざると母ざる:母が子供に読んできかせてやる童話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この人々の
阿父
(
おとっ
)
さんや
祖父
(
おじい
)
さんは、六十年
前
(
ぜん
)
にここを過ぎて、工事中のお台場を望んで、「まあ、これが出来れば大丈夫だ」と、心強く感じたに相違ない。
一日一筆
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あれで
祖父
(
おじい
)
さんもなかなか
頑張
(
がんば
)
っていて、本陣庄屋の仕事を
阿爺
(
おやじ
)
に任せていいとは容易に言わなかった。それほど大事を取る必要もあるんだね。おれなぞは、お前、十七の
歳
(
とし
)
から見習いだぜ。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
祖父
(
おじい
)
も、
祖母
(
おばあ
)
も、おっ母さんも、みんなここに眠ってるんだぜ」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こんなことを言出した。お俊は
附添
(
つけた
)
して、
丁度
(
ちょうど
)
先生は「
吾家
(
うち
)
の
祖父
(
おじい
)
さん」のような人だと言った。先生と忠寛とは大分違うようだ、と三吉が相手に成ったのが始まりで、お俊は負けずに言い争った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「この刀は、
祖父
(
おじい
)
さんが、
鍛
(
う
)
たせたものだ」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
祖父
(
おじい
)
さんから先は、どんな人が御先祖だったか知れぬが、その遠い御先祖のうちには、偉い人もいたに違いない。多分、お侍もいたろう。学者もいたろう。——そういう方たちの血が流れ流れて、わしからお前にも、伝わっているわけだ」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
祖
常用漢字
小5
部首:⽰
9画
父
常用漢字
小2
部首:⽗
4画
“祖父”で始まる語句
祖父様
祖父樣
祖父殿
祖父母
祖父祖母
祖父様方
祖父江出羽守
祖父上
祖父児
祖父君