祖父)” の例文
なんとも覚えのない悲しさで「走りごくで一等とったさかい、お祖父やんも安心してお前を働きに出せる。人間はらくしよ思たらあかん」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
祖父やんと呼ばずつい口ぐせのように甚作どんと呼ぶことなど、甚作どんに関する限りではかやの気持は二十六の若さでさえあった。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
「な、勝子、こんなめんごい嬰児ややこの顔も見ねえで死ぬなんて、勝子のおじちゃ(おじいさん)も馬鹿なお祖父ちゃだ。」
和紙 (新字新仮名) / 東野辺薫(著)
悪い虫のつかんうちに、お祖父やんのこれと見込んだ男と結婚しなはれ。気に入るかどないか知らんけど、結婚いうもんは本人が決めるもんと違う。
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「お前にやるんじゃない、腹の中のねねにやるんじゃ。また初節句はつせっくにゃ団子でも食わしておくれ。お前のお祖父やんとうらとは小んまい時朋輩ほうばいじゃったんじゃ。これでもお前昔ゃうらも子供じゃったせにな」
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
悪い虫のつかんうちにお祖父やんのこれと見込んだ男と結婚しなはれ。気に入るかどないか知らんけど、結婚いうもんは本人同志が決めるもんと違う。
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「お祖父やんは人力車アで、孫は自動車えんたくの案内とは、こらまたえらい凝って考えたもんやなあ」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「お祖父やんは人力車ァで、孫は自動車の案内とは、こらまたえらい凝ったもんやなア」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「そんなこと言うたかて、歳は歳や。羅宇しかえ屋のおっさんかて、こないだ流してる最中にひっくりかえりはったやないか。お祖父やんにもしものことあったら、どないすんのん?」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)