“じ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
19.4%
11.9%
10.6%
9.6%
8.7%
6.8%
2.9%
2.6%
2.5%
2.4%
2.2%
1.7%
1.4%
1.4%
1.1%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
0.8%
0.7%
0.7%
湿0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
0.5%
0.5%
0.4%
祖父0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
焦慮0.1%
0.1%
一時0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
焦燥0.1%
焦躁0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
例の如くややしばし音沙汰おとさたがなかった。少しれ気味になって、また呼ぼうとした時、いたち大鼠おおねずみかが何処どこかで動いたような音がした。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
『それからのちは』と帽子屋ばうしやかなしげな調子てうしで、『わたしふことをかなくなつてしまつて!まァ、何時いつでも六のところにとまつてゐる』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
江尻も興津もきそこだし、まだ知りませんが、久能山だの、竜華寺だの、名所があって、清見寺も、三保の松原も近いんですから
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひざの上に乗せた土産みやげのおもちゃや小さな帽子などをやきもきしながらひねり回したり、膝掛ひざかけの厚いをぎゅっと握り締めたりして
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
能登のとの「ワゲシ」はもつともこれにちかおんいうする鳳(フング)至(シ)の二によつてしめされたのが、いまは「ホーシ」とものがある。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
其処そこに痛い程の快感がある。っとしていると体までがこの儘何処へかけし飛んでしまいそうだ。私は再び杖を揮って大声に叫んだ。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
常に一切の事物を自個の標準によって判断し、自個以外に偉人を認めざりし態度をしたるをもって、絶対的傍観の見地に立てりと断ぜんと欲す。
絶対的人格:正岡先生論 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
読みて大尉たいゐ壮行さうかうわれともにするの感あり、此日このひよりのちことにして、此日このひ只一人たゞひとりうれしくて、ボンヤリとなり、社員にもせず
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
「ははは、何だか馬鹿に年寄りみたことを言うじゃねえか。お光さんなんざまだ女の盛りなんだもの、本当の面白いことはこれからさ」
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
藤九郎の父はかつて忠善の側近にしていたことがあるし、話の首尾がととのっているので、六弥もこんどは笑わなかった。
日本婦道記:墨丸 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
宍戸備前守ししどびぜんのかみは、わずかに八人に守られて、もうにの覚悟かくごで戦っている。そこへ、かけつけたのは清兵衛せいべえで、大声にさけんだ。
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
哀れなボースンよ! 年は寄ってるし、子供は多いし、暮らしは苦しいし、かかあは病気だし、この憶病な禿げのおさんに従うことに皆決めた。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
ぼくの十二のときです。ぼく父母ふぼしたがつてしばら他國たこくましたが、ちゝくわんするとともに、故郷くにかへりまして、ぼく大島小學校おほしませうがくかうといふにはひりました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
宮はおいでになろうとする際も御自身の意志でない通いの途絶えによって、思い乱れることのないようにとかえすがえすもお言いになった。
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
さういひながら、玄関げんくわんつゞきのちやへはひると、青木さんはかみにくるんだ額面がくめん十円の△△債劵さいけん背広せびろの内がくしから、如何いかにも大さうにとり出した。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
と森松はれこんでいくらいっても動きません。其の筈で森松などから見ると三十段も上手うわての悪党でござりますから、長手の火鉢ひばちすみの所へ坐ったらてこでも動きません。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
翻訳だろうが焼き直しだろうが、生きているうちは何処までも遣る覚悟だから、寺尾の方がまだ自分より社会のらしく見えた。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さて私は、その日から、の治療をうけることになった。何かにつけ、娑婆しゃばとは段違だんちがいにみじめな所内しょないではあるが、医務室だけは浮世並うきよなみだった。
柿色の紙風船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もう鴻山にも万吉にも、出世の無理いをすすめるようなありあわせな厚意は、かれの真実と潔癖の前にいいだされなくなった。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたくしはここに鷲津知事に随行した人々の中に婢妾ひしょうしげと呼ばれた女のくわわっていた事を書添えて置かなければならない。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
名医の診断は庸医の診断の全く誤謬なるを示すことあるがごとく、全能の神より見賜う時は不治と称する汝の病もまたがたきの病にはあらざるべし。
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
なんでもちゅうの者が棺をあばいたに相違ないといって、とうとう訴訟沙汰にまでなりましたが、当夜の事情が判明して無事に済みました
七重にも八重にも山を取りいている羊腸たるこの小径は、道幅かれこれ二フィートばかりもあったであろうか? 落葉が厚く湿め湿めと散り敷いて
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
心臓を叩き抜かれた、墓場にいるはずの三伝が蘇ったなんて、なァるほどこのむじなども、利得金をひとりめにしようとして、芝居を仕組んでいるな。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
〔譯〕君子は自らこゝろよくし、小人は自らあざむく。君子は自らつとめ、小人は自らつ。上たつと下たつとは、一のの字に落在らくざいす。
「焦らっしゃる事よ、れてはようない、ようないぞの。まあ、休んでござらんか、よ。主あどんなにか大儀じゃろうのう。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
琵琶はいとのおさえ方の確かなのがよいということになっていますが、をさす間だけ撥音の変わる時の艶な響きは女の弾き手のみが現わしうるもので
源氏物語:45 紅梅 (新字新仮名) / 紫式部(著)
一太は、楊枝ようじの先に一粒ずつ黒豆を突さし、み美味さ嬉しさを味いつつ食べ始める。傍で、じろじろ息子を見守りながら、ツメオも茶をよばれた。
一太と母 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
わったことのおおせかな。お夏さんはッと見ている。帯も襟も、顔なんざその夕日にほんのりと色がさして、矢筈やはずの紺も、紫のように見えましたがね。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
祖父やんと呼ばずつい口ぐせのように甚作どんと呼ぶことなど、甚作どんに関する限りではかやの気持は二十六の若さでさえあった。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
犬にも非ず、猫にも非ず、なんぢに似たる者よと思ひけれど、言争いひあらそはんは愚なりと勘弁して、彼はわづかに不快の色をせしのみ。満枝は益す独りれて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
オイオイお前は何処どこへ行くと脊後うしろから声をかけたが、小僧は見向きもせず返事もせず、矢はり俯向きしまま湿れて行く、此方こなたれて、オイオイ小僧、何処へ往くのか知らぬが
河童小僧 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
仕事の魅力とか仕事への情熱とかいうたのしいていのものではない。修史という使命の自覚には違いないとしてもさらに昂然こうぜんとして自らをする自覚ではない。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
コレヲ聞キテ曰クなんじラワレノ故ヲ以テ起程ヲ延ベント欲スル。私情ヲ以テ公事ヲ堕スルハ先君ノにくム所ナリ。不肖クノ如クンバ子ナキニカズト。湯薬ヲ絶ツコト一日ナリ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
国王のは重要なる君意を公証するものであるから、これを尚蔵する者の責任の大なることは言を待たぬところである。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
父親は、てのひらでぽんぼんと煙草の吸い殻を落として、っと、項垂うなだれた菊枝の顔を凝視みつめた。
緑の芽 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
いきなり、踢殺羊てきさつようの張保は、楊のからだを羽ガイめに締めあげながら、四ツ辻の蔭へ向って大きくえた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
代助は其夜そのよすぐたうと思つて、グラツドストーンのなか門野かどのに掃さして、携帯品をすこんだ。門野かどのすくなからざる好奇心を以て、代助の革鞄かばんながめてゐたが
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「詩に、あらず虎に匪ず、彼の曠野にしたがう、という句があるが覚えているかの。」
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
瑠璃るり色の風が今にも吹いて来るのを待ちかまゃないか。
ぼろぼろな駝鳥 (新字旧仮名) / 高村光太郎(著)
あの小さな素朴そぼくな頭が無辺大の夢でさかまいてゃないか。
ぼろぼろな駝鳥 (新字旧仮名) / 高村光太郎(著)
あゝも思ひかくも思つてみるけれど、立寄つた先や、用事の見当がつかなければつかないほど、私の心は焦慮れて来て、無暗に何かに当り散らしたくなる。
脱殻 (新字旧仮名) / 水野仙子(著)
すべてが思ふやうにならないといつて焦慮れるのは、私が悪くなくてなんであらう。自らをいやすものは自らの外にある筈がない。それを私はあの人に望んでゐる。
脱殻 (新字旧仮名) / 水野仙子(著)
ホームズは全注意を集めて、この話を聞いていたが、この話が終ると、しばしの間は、っと沈黙したまま思案に沈んだ。
ホームズはしばらくの間、——っと思案していたが、やがて小気味の悪い微笑をうかべた。
其れで土曜から日曜の両親ふたおやや監督者の暇な日に一時に公園へれて出る。と云つて幾つかの大公園に遊んで居る子供は巴里パリイ市内の子供の総数から云へば千分の一にも当るまい。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
かれ天つ神の御子、その横刀たちを獲つるゆゑを問ひたまひしかば、高倉答へまをさく
もつともいとけなしといへども、のちおのづから設得まうけえんと。はたせるかなひととなりて荊州けいしう刺史ししとなるや、ひそか海船かいせんあやつり、うみ商賈しやうこ財寶ざいはう追剥おひはぎして、とみいたすことさんなし。のち衞尉ゑいゐはいす。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
碁会所ごかいしょ。玉突屋。大弓所。珈琲コーヒー店。下宿。彼はそのせせこましい展望をのがれて郊外へ移った。そこは偶然にも以前住んだことのある町に近かった。霜解け、夕み、その匂いにはおぼえがあった。
過古 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
やがあいちやんは其兩手そのりやうてきのこ缺片かけつてゐたのにがついて、おそる/\ふたゝびそれをはじめました、めは一ぱうを、それからほかはうかはる/″\めて
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
自身番から板木ばんぎが廻る。ドーン、ドーンと、裏通りを打ってくる番太郎の太鼓らせ。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
門野かどのつまらなくなつたから、自分の玄関わきの三畳じきへ引き取つた。障けて這入らうとすると、又縁側へ呼びかへされた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
表面無視しながら、阿賀妻は明瞭はっきり、その底意を読みとることが出来た。その男の言葉りにあらわれた九州なまりも気になるものであった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
検温器を患者のわき揷入そうにゅうしたりして、失望したり、れったがったりしたが、外へ出ない時も、お銀にばかりまかせておけなかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
恐ろしく不動の形の中にだが、また恐ろしくれてゐる。
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
清兵衛は、この金を頂戴ちょうだいすると、第一に新しいうまやを建てた。そして、自分のすむ家は、屋根がやぶれて雨もりがするので、新築のうまやのすみに、三じょうきばかりの部屋へやを作らせて
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
今の著作家達は大抵まづい。たま/\上手な人も無い事はないが、そんなのは得て書いてゐる事柄がまづい。とりわけ万年筆で書くやうになつてから、文字に感じが出なくなつた。
焚火たきびことかたられたが如何どうだか)それから繪端書ゑはがき署名しよめいひ、それをもとまでせられた。
今更のように身にみとして来た。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
私の勇氣は、くじけていつた。いつものしひたげられた氣持や懷疑心や孤獨な憂鬱いううつが、くづれゆく憤激の餘燼よじんに、めと落ちかゝつた。みんなは、私が惡いと云ふ。多分、さうかも知れない。
私のようにどこか突き抜けたくっても突き抜ける訳にも行かず、何かつかみたくっても薬缶頭やかんあたまを掴むようにつるつるして焦燥れったくなったりする人が多分あるだろうと思うのです。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あわてた與吉よきち軸木ぢくぎさきからいたづらにのやうなけぶりてるのみであつた。かれ焦躁れて卯平うへいあしもとのはひ燐寸マツチはこげた。はこはからりとつた。はこそこはもうえてたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それでも士は冷然と構えているので、かれもれてきたとみえて、だんだんに乱暴をはじめて、そこにあるすずりを書物の上に引っくり返した。
一尺程の大きさの伊勢海老が持ち出され、薄黄の色のソオスが白いうつはに入れられて来たので貧乏ぶるひをするやうであつた卓もいささかの花やかさが加はつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
老子らうし苦縣こけん厲郷らいきやう曲仁里きよくじんりひとなりせい李氏りしあざな伯陽はくやうおくりなたんふ。しう(一)守藏室しゆざうしつなり孔子こうししうき、まされい老子らうしはんとす。
己がしかてをもとめぬ
(新字旧仮名) / 渡久山水鳴(著)
馬春堂は格子の前まで出て来ましたが、急にソワソワとそこらを巡り歩きながら、何か考えていたかと思うと、戸まりもせずに続いて長屋を飛び出しました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大忠だいちう(九〇)拂辭ふつじするところく、(九一)悟言ごげん(九二)撃排げきはいするところく、すなはのちその辯知べんちぶ。親近しんきんせられてうたかはれず・(九三)これくすを所以ゆゑんなり