“膝掛”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ひざかけ68.8%
ひざか31.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
素鼠縮緬すねずみちりめん頭巾被づきんかぶれる婦人は樺色無地かばいろむじ絹臘虎きぬらつこ膝掛ひざかけ推除おしのけて、めよ、返せともだゆるを
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
赤帽が縦側の左の腰掛の真ん中へ革包を置いて、荒い格子縞の駱駝らくだ膝掛ひざかけそばいた。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
お島は二階の六畳で疲れた体を膝掛ひざかけのうえによこたえている男の傍に坐って、他人行儀のような口を利いていたが、興奮の去ったあとの彼女は、長く男の傍にもいられなかった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
木綿縞もめんじま膝掛ひざかけを払って、筒袖のどんつくを着た膝をすわり直って、それから挨拶した。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「立ん坊か」と云ったまま宗近君は駱駝らくだ膝掛ひざかけ馬簾ばれんをひねくり始めたが、やがて
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そしていきなりそこに待ち合わしていた人力車の上の膝掛ひざかけをはぐって、蹴込けこみに打ち付けてある鑑札にしっかり目を通しておいて、
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
鉄さんは景気よく根太のつくろいをして、戸棚の中に敷いていた花莚はなむしろをおき、松さんは膝掛ひざかけを敷いて祖母とあたしのいるところをつくった。
椅子いすから格子縞こうしじま膝掛ひざかけを取る)これは飛びきり極上の羅紗ラシャでございます、これをお売りいたします……(振ってみせる)買いたい方はありませんか?
桜の園 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
けれどもカバン膝掛ひざかけその他いっさいの手荷物はすでに宿屋の番頭が始末をして、ちゃんと列車内に運び込んであったので、彼はただ手持ても無沙汰ぶさたにプラットフォームの上に立っていた。
手紙 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
といいながら、羽被はっぴの紺のにおいの高くするさっきの車夫が、薄い大柄おおがらなセルの膝掛ひざかけを肩にかけたままあわてたように追いかけて来て、オリーヴ色の絹ハンケチに包んだ小さな物を渡そうとした。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)