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じ
ふりがな文庫
“
児
(
じ
)” の例文
旧字:
兒
鳴神
(
なるかみ
)
おどろおどろしく、はためき渡りたるその
刹那
(
せつな
)
に、
児
(
じ
)
の
初声
(
うぶこえ
)
は
挙
(
あが
)
りて、さしも
盆
(
ぼん
)
を
覆
(
くつがえ
)
さんばかりの大雨も
忽
(
たちま
)
ちにして
霽
(
は
)
れ
上
(
あが
)
りぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
翻訳だろうが焼き直しだろうが、生きているうちは何処までも遣る覚悟だから、寺尾の方がまだ自分より社会の
児
(
じ
)
らしく見えた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
昨日まではとかく家を
外
(
そと
)
なる楽しみのみ追ひ究めんとしける放蕩の
児
(
じ
)
も
此
(
ここ
)
に漸く
家居
(
かきょ
)
の
楽
(
たのしみ
)
を知り父なき
後
(
のち
)
の家を守る身となりしこそうれしけれ。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
児
(
じ
)
は不幸にして
未
(
いま
)
だ良師を得ません。どうして近業の言うに足るものがありましょう。今
伯楽
(
はくらく
)
の一顧を得て、
奔踶
(
ほんてい
)
して千里を致すの思があります。願わくは題を
魚玄機
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
然
(
しか
)
れども先生は
従来
(
じゅうらい
)
他人の書に
序
(
じょ
)
を
賜
(
たま
)
いたること更になし、今
強
(
しい
)
てこれを先生に
煩
(
わずらわ
)
さんこと
然
(
しか
)
るべからずと
拒
(
こば
)
んで許さざりしに、
児
(
じ
)
竊
(
ひそ
)
かにこれを
携
(
たずさ
)
え先生の
許
(
もと
)
に至り
懇願
(
こんがん
)
せしかば
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
▼ もっと見る
しかしまた
黄口
(
こうこう
)
の
児
(
じ
)
でありながら、お
尻
(
しり
)
に卵の殻がくっ付いているごとき
境界
(
きょうがい
)
であるのにかかわらず、ほしいままに人生を脱離したごとく考えているというのは片腹痛い感じがして
俳句の作りよう
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
我身ひとつの
故
(
ゆえ
)
成
(
な
)
りせばいかゞいやしきおり
立
(
たち
)
たる
業
(
ぎょう
)
をもして、やしなひ参らせばやとおもへど、母君はいといたく名をこのみ給ふ
質
(
たち
)
におはしませば、
児
(
じ
)
賤業をいとなめば我死すともよし
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「無理です。それですから白楽天が歌いました、任土貢
寧
(
むし
)
ロ
斯
(
かく
)
ノ如クナランヤ、聞カズヤ人生ヲシテ別離セシム、老翁ハ
孫
(
そん
)
ヲ
哭
(
こく
)
シ、母ハ
児
(
じ
)
ヲ哭ス……ある時、その道州へ陽城という代官が来ました」
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
翻訳だらうが焼き直しだらうが、生きてゐるうちは
何処
(
どこ
)
迄も
遣
(
や
)
る覚悟だから、寺尾の方がまだ自分より社会の
児
(
じ
)
らしく見えた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
児
(
じ
)
を
分娩
(
ぶんべん
)
すると同時に、又も
一
(
いつ
)
の苦悶は出で
来
(
きた
)
りぬ。そは
重井
(
おもゐ
)
と公然の夫婦ならねば、
児
(
じ
)
の籍をば
如何
(
いか
)
にせんとの事なりき。
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
予また
幕末
(
ばくまつ
)
の
編年史
(
へんねんし
)
を作り、これを三十年史と
名
(
なづ
)
け
刊行
(
かんこう
)
して世に
問
(
と
)
わんとせし時、
誰人
(
たれびと
)
かに
序文
(
じょぶん
)
を
乞
(
こ
)
わんと思いしが、
児
(
じ
)
駿
(
しゅん
)
、
側
(
かたわら
)
に
在
(
あ
)
りて福沢先生の
高文
(
こうぶん
)
を得ばもっとも
光栄
(
こうえい
)
なるべしという。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
太平の天地だと安心して、
拱手
(
きょうしゅ
)
して成功を
冀
(
こいねが
)
う
輩
(
はい
)
は、行くべき道に
躓
(
つまず
)
いて
非業
(
ひごう
)
に死したる失敗の
児
(
じ
)
よりも、人間の価値は
遥
(
はる
)
かに乏しいのである。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
妾
(
せふ
)
は
児
(
じ
)
の
重
(
かさ
)
ね/″\
龍
(
りよう
)
に
縁
(
えん
)
あるを
奇
(
き
)
として、それに
因
(
ちな
)
める名をば
命
(
つ
)
けつ、
生
(
お
)
ひ先きの
幸
(
さち
)
多かれと
祷
(
いの
)
れるなりき。
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
そも一秒時毎に、
汝
(
なれ
)
と遠ざかりまさるなりなど、吾れながら日頃の雄々しき心は
失
(
う
)
せて、
児
(
じ
)
を産みてよりは、世の常の婦人よりも
一層
(
ひとしほ
)
女々
(
めゝ
)
しうなりしぞかし。
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
「
珊瑚
(
さんご
)
の枝は海の底、薬を飲んで毒を吐く軽薄の
児
(
じ
)
」と言いかけて吾に帰りたる髯が「それそれ。合奏より夢の続きが
肝心
(
かんじん
)
じゃ。——画から抜けだした女の顔は……」
一夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
病児を抱えて座食する事は、到底至難の事なれば、自分は甘んじて
児
(
じ
)
のために犠牲とならん、何とぞこの
切
(
せつ
)
なる心を察して、
姑
(
しば
)
らく時機を待ちくれよという。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
自然の
児
(
じ
)
になろうか、又意志の人になろうかと代助は迷った。彼は彼の主義として、弾力性のない
硬張
(
こわば
)
った方針の下に、寒暑にさえすぐ反応を呈する自己を、器械の様に束縛するの愚を
忌
(
い
)
んだ。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
子供のために、
枉
(
ま
)
げて来り給えなどいと
切
(
せ
)
めて勧めけるに、
良人
(
りょうじん
)
と
児
(
じ
)
との愛に引かれて、
覚束
(
おぼつか
)
なくも、
舅姑
(
きゅうこ
)
の
機嫌
(
きげん
)
を取り、裁縫やら子供の世話やらに
齷齪
(
あくせく
)
することとなりたるぞ
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
活躍の
児
(
じ
)
は一句にして
挨拶
(
あいさつ
)
と紹介を
兼
(
かね
)
る。宗近君は忙しい。甲野さんは依然として額を支えて立ったままである。小野さんも
手持無沙汰
(
てもちぶさた
)
に席に着かぬ。小夜子と糸子はいたずらに丁寧な
頭
(
つむり
)
を下げた。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
児
常用漢字
小4
部首:⼉
7画
“児”を含む語句
嬰児
孩児
女児
幼児
小児
赤児
児童
男児
童児
児女
児戯
遺児
私生児
稚児
混血児
迷児
狗児
乳児
天児屋根命
児曹
...