“幼児”のいろいろな読み方と例文
旧字:幼兒
読み方割合
おさなご61.2%
をさなご12.2%
こども6.1%
ようじ6.1%
インノセンス2.0%
いとけなき2.0%
えうじ2.0%
おなさご2.0%
をさなき2.0%
バンビーノ2.0%
ランフアン2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
われわれの責任以外知る以外の独自どくじの立場を持っているおさなご、じつにわれわれの幼児おさなごに対する思いは複雑でなくてはなりません。
おさなご (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
幼児をさなごたちはみな十字架クルス背負しよつて、しゆきみつかたてまつる。してみるとそのからだしゆ御体おんからだ、あたしにけてくださらなかつたその御体おんからだだ。
まずみなさんは、幼児こどもにご飯をたべさせるのには、ほんとうに忍耐ぶかくなくてはならないと思ったことはないでしょうか。
女中訓 (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
答『産土うぶすな主宰神しゅさいしんことごと男性だんせいかぎるようじゃ。しかし幼児ようじ保姆ほぼなどにはよく女性じょせい人霊じんれい使つかわれるようで……。』
しゆよ、君が御掟に従つて、かくは言上し奉る。是等の幼児は、此儘にして終に死すべきか。願はくはインノセンスの治下に新しき幼児インノセンスの戮殺あらしむる勿れ。
法王の祈祷 (新字旧仮名) / マルセル・シュウォッブ(著)
別れまゐらせし歳は我が齢、僅に二十歳はたちを越えつるのみ、また幼児いとけなきを離せしときは六歳むつつと申す愛度無あどなき折なり、老いて夫を先立つるにも泣きて泣き足るためしは聞かず
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ふとした拍子ひやうしに、縁側ゑんがは障子しやうじ硝子戸ガラスどごしにえた竹村たけむら幼児えうじに、奈美子なみこはふと微笑ほゝゑみかけた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
昔は、川柳せんりゅうに、熊坂くまさかすねのあたりで、みいん、みいん。で、すすきすそには、蟋蟀こおろぎが鳴くばかり、幼児おなさごの目には鬼神きじんのお松だ。
若菜のうち (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
物言はぬ嬰児みづこを失ひても心狂ふは母の情、それを行末長き齢に、君とは故も無くて別れまゐらせ、可愛き盛りに幼児をさなきを見棄てつる悲しさは如何ばかりと覚す、されど斯ばかりの悲しさをも
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
幼児バンビーノキリストの眼の輝きである——早くも近づいて来ている悲劇を人がそこに確かに認め得るところの幼な児の眼の輝きである。
さしづめあの小ましやくれた、幼児ランフアン基督の玩具には持つて来いだ。
動物園 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)