“ようじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
楊枝48.8%
用事31.8%
楊子14.7%
幼児1.8%
幼時1.2%
姚次0.6%
嬰児0.6%
幼兒0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かえって口きゝ玉うにも物柔かく、御手水おちょうず温湯ぬるゆ椽側えんがわもって参り、楊枝ようじの房少しむしりて塩一小皿ひとこざらと共に塗盆ぬりぼんいだ僅計わずかばかりの事をさえ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その用事ようじがあって床屋とこやのおじいさんがつえをついてそこをとおりかかりましたときに、くろいしつけてひろげました。
てかてか頭の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
兵馬がその前を通り過ぎた時分に、酒場の縄暖簾なわのれんを分けて、ゲープという酒の息を吐きながら、くわえ楊子ようじで出かけた男がありました。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
幼児ようじのころちちをなくして、そのは、ただ母親ははおや一人ひとりにそだてられておおきくなりました。
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
一休いっきゅうさんは、幼時ようじから、からはなけるような、りこうな子供こどもでしたが、そのりこうさが、仏門ぶつもんはいってみがきをかけられ、後世こうせいにのこるような英僧えいそうにとなったわけでしょう。
先生と父兄の皆さまへ (新字新仮名) / 五十公野清一(著)
集まった銀細工師の姚次ようじ、葬具屋のちょう四郎、酒屋の胡正こせい、菓子屋のちょうじいさんなど、どれもこれもただ、眼をまじまじ、硬くなっているだけだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夕暗をすかしてみると、すねの正面の稜骨りょうこつの右側の間に、嬰児ようじの口よりも、もっと大きな口が開いている。自転車のどこかに付いている金の棒が、やわらかい肉に突きささり、そして掻き割いたらしい。
(新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
また石器時代せつきじだいのごときまだひらけない時代じだいでも、親子おやこ情愛じようあいといふものは今日こんにちかはりはなかつたのですから、幼兒ようじ死體したいでもけっしててゝはありません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)