“ちのみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
乳児66.7%
嬰児16.7%
乳呑16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「お案じ下さいますな。乳児ちのみもよう寝ついておりますし、家内へもただ今、仔細を申し聞かせてまいりますから」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
灯をつけるももどかしく、良人おっとの膳を、と思うにつけて、自分の気の弱いのが口惜くやしかったけれども、目をねむって、やがて嬰児ちのみを襟に包んだ胸をふくらかに、膳を据えた。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女房はしきりに心急こころせいて、納戸に並んだ台所口に片膝つきつつ、飯櫃めしびつを引寄せて、及腰およびごし手桶ておけから水を結び、効々かいがいしゅう、嬰児ちのみかいなに抱いたまま、手許もうわの空で覚束おぼつかなく、三ツばかり握飯にぎりめし
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
娘達の乳呑ちのみ時代に、半年ほど離れ家へ抱へたお光といふ乳母うば(今はその乳母の為めに、離れ家を聯想れんそうするのさへ嫌であるが)は二十五六で、ある商家の出戻り娘であつた。
老主の一時期 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)