“飯櫃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
めしびつ68.6%
おはち16.7%
おひつ7.8%
はち2.9%
ひつ2.0%
いいびつ1.0%
いひびつ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「……こうしていれば寒くもなく火除ひよけにもなるからな、それから飯櫃めしびつをみたら残ってたから、手ついでにこんな物を拵えて来たよ」
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
水中の津川五郎子八杯、未醒子七杯、髯将軍と吾輩六杯、その他平均五杯ずつ、合計約五十杯、さしもに大きな飯櫃おはちの底もカタンカタン。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
ところが、朝食の膳に向って、一人でちびちび、苦い味を我慢して飲み初めると、母は飯櫃おひつの横に控えて、じっと僕の方を見守ってきた。
不肖の兄 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
飯櫃はちのふたをかぶせた三本足の竹の棒に神の来向を信じ、そら、足をあげた、ハイとおっしゃったとはしゃいだ。
『分りました。——そうです、わたくしなどは、どうせお飯櫃ひつぐらいにしか、貴方には考えられていないのですから』
夕顔の門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そういって、おどかすと、やっと次の日は、飯櫃いいびつを前において、岩公は河原に坐っていた。
下頭橋由来 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かきあみとは攩網すくひだまなり、鮏をすくるをいふ。そのすくだまの作りやうは又ある木のえだげあはせて飯櫃いひびつなりに作りこれにあみふくろをつけ、長きありてすくふたよりとす。