“おはち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
飯櫃56.7%
御櫃20.0%
御鉢10.0%
飯鉢6.7%
3.3%
飯桶3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やっとの事で薄暗いランプの下に、煮豆に、香物こうのものねぎと魚の骨を煮込んだおさいが並べられ、指の跡のついた飯櫃おはちが出る。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「古道具屋で御櫃おはちを決して買ってはいけない。」
先年其古跡をたづねんとてしも越後にあそびし時、新道しんだう村のをさ飯塚知義いひつかともよしはなしに、一年ひとゝせ夏の頃あまこひために村の者どもをしたが米山よねやまへのぼりしに、薬師やくしへ参詣の人山こもりするために御鉢おはちといふ所に小屋二ツあり
その話の一ツは最初に秀吉が細川越中守忠興ただおきを会津守護にしようとしたところが、越中守忠興が固く辞退した、そこで飯鉢おはちは氏郷へ廻った、ということである。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
兎も角もランプをつけて、東京からおはちごと持参じさんの冷飯で夕餐ゆうげを済まし、彼等夫妻は西の六畳に、女中と三吉は頭合せに次の六畳に寝た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
凉炉と膳との蔭に土鍋が置いてあって共に飯匕しゃもじが添えて有るのを見れば其処らに飯桶おはちの見えぬのも道理である。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)