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御櫃
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おはち
ふりがな文庫
“
御櫃
(
おはち
)” の例文
だから突然この
小舅
(
こじゅうと
)
と自分の間に
御櫃
(
おはち
)
を置いて、互に顔を見合せながら、口を動かすのが、御米に取っては一種
異
(
い
)
な経験であった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「古道具屋で
御櫃
(
おはち
)
を決して買ってはいけない。」
旧聞日本橋:20 西川小りん
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
だから
突然
(
とつぜん
)
この
小舅
(
こじうと
)
と
自分
(
じぶん
)
の
間
(
あひだ
)
に
御櫃
(
おはち
)
を
置
(
お
)
いて、
互
(
たがひ
)
に
顏
(
かほ
)
を
見合
(
みあは
)
せながら、
口
(
くち
)
を
動
(
うご
)
かすのが、
御米
(
およね
)
に
取
(
と
)
つては
一種
(
いつしゆ
)
異
(
い
)
な
經驗
(
けいけん
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
婆さんは、飯を済ました後と見えて、下女部屋で
御櫃
(
おはち
)
の上に
肱
(
ひじ
)
を突いて居眠りをしていた。門野は何処へ行ったか影さえ見えなかった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
飯の
気
(
け
)
を離れる事約二昼夜になるんだから、いかに魂が萎縮しているこの際でも、
御櫃
(
おはち
)
の影を見るや否や食慾は猛然として
咽喉元
(
のどもと
)
まで詰め寄せて来た。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
前足で上にかかっている菜っ葉を
掻
(
か
)
き寄せる。爪を見ると餅の
上皮
(
うわかわ
)
が引き掛ってねばねばする。
嗅
(
か
)
いで見ると釜の底の飯を
御櫃
(
おはち
)
へ移す時のような
香
(
におい
)
がする。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
流し元の
小桶
(
こおけ
)
の中に茶碗と塗椀が洗わないまま
浸
(
つ
)
けてあった。下女部屋を
覗
(
のぞ
)
くと、
清
(
きよ
)
が自分の前に小さな
膳
(
ぜん
)
を控えたなり、
御櫃
(
おはち
)
に
倚
(
よ
)
りかかって突伏していた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そんなに山盛にしないうちに早く
甞
(
な
)
めてしまえばいいにと思ったが、例のごとく、吾輩の言う事などは通じないのだから、気の毒ながら
御櫃
(
おはち
)
の上から黙って見物していた。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御三
(
おさん
)
はすでに
炊
(
た
)
き
立
(
たて
)
の飯を、
御櫃
(
おはち
)
に移して、今や
七輪
(
しちりん
)
にかけた
鍋
(
なべ
)
の中をかきまぜつつある。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御米は女だけに声を出して笑ったが、
御櫃
(
おはち
)
の
葢
(
ふた
)
を開けて、夫の飯を
盛
(
よそ
)
いながら
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御米
(
およね
)
は
女
(
をんな
)
だけに
聲
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
して
笑
(
わら
)
つたが、
御櫃
(
おはち
)
の
葢
(
ふた
)
を
開
(
あ
)
けて、
夫
(
をつと
)
の
飯
(
めし
)
を
盛
(
よそ
)
ひながら
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
流
(
なが
)
し
元
(
もと
)
の
小桶
(
こをけ
)
の
中
(
なか
)
に
茶碗
(
ちやわん
)
と
塗椀
(
ぬりわん
)
が
洗
(
あら
)
はない
儘
(
まゝ
)
浸
(
つ
)
けてあつた。
下女部屋
(
げぢよべや
)
を
覗
(
のぞ
)
くと、
清
(
きよ
)
が
自分
(
じぶん
)
の
前
(
まへ
)
に
小
(
ちひ
)
さな
膳
(
ぜん
)
を
控
(
ひか
)
えたなり、
御櫃
(
おはち
)
に
倚
(
よ
)
りかゝつて
突伏
(
つつぷ
)
してゐた。
宗助
(
そうすけ
)
は
又
(
また
)
六
疊
(
でふ
)
の
戸
(
と
)
を
引
(
ひ
)
いて
首
(
くび
)
を
差
(
さ
)
し
込
(
こ
)
んだ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
櫃
漢検1級
部首:⽊
18画
“御”で始まる語句
御
御馳走
御前
御意
御座
御簾
御尤
御覧
御免
御堂