“はこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハコ
語句割合
25.2%
21.9%
17.0%
13.3%
4.7%
4.0%
3.0%
0.9%
0.9%
0.7%
(他:36)8.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おばあさんはそういって、どくのついているくしを、はこから取りだし、手のひらにのせて高くさしあげてみせました。
「おや、どうかしたのかい。たいへん顔色がわるいよ」といながらたなからくすりはこをおろしました。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
すると母親ははおやは、おおきな、おおきな、おさらくろいスープをって、はこんでました。
そして、毎日まいにち先生せんせい生徒せいとたちが、はだしで、バケツにみずをくんで、はこんだりしました。
学校の桜の木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
何かよい工夫はないかと、頭脳を絞ってみたが、不図ふと思付いて、彼はすこし後退すると雪塊を掘っては岩陰へはこんだ。
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
新聞や放送におけるこの事件の報道の焦点は、やはり、如何なる怪力がゼムリヤ号を高い山頂へはこんだか、ということにあった。
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
パッキングされたはこは、二階からエスカレーターに乗って、運河の岸壁に横付けにされている船に、そのまゝ荷役が出来る。
工場細胞 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
「うんそれでいいさ」とお父さんがいいました。ホモイはためいきをついて玉をはこに入れてじっとそれを見つめました。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
お庄はせッせと札をはこへしまい込んで、蒲団ふとんの上に置いた。まだ寝るには早かった。三人は別の部屋へ散って行った。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
我また見しにかの鷲はじめのごとく舞下りて車のはこの内に入り己が羽をかしこにちらして飛去りぬ 一二四—一二六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
こんどは細ながいはこからこれもげんの舶載らしい水墨画を解き出して、壁にかけ、脇息にって、ながめ入った。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今昔にはたゞ「はこ」と云ってあるが、宇治拾遺には「かはご」とあるので、皮で造った筥が普通だったのであろうか。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
きょうは止そう、きょうこそ通うことは止そうと、いまのいままで考えていながら身はすでに房の内に、花桐の衣裳のはこのかげに坐っていた。
花桐 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
それが赤紙の画扇の陰に、何かはこを隠してゐるのは、きつと侍従のしたまりを捨てに行く所に相違ない。
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
おもはれて今年ことしえうなき舞ごろもはこ黄金こがねくぎうたせけり
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
ひとつはこにひひなをさめてふたとぢて何となきいき桃にはばかる
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
尤もその車の内は、浮線綾のふちをとつた青い簾が、重く封じこめて居りますから、はこには何がはいつてゐるか判りません。
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
尤もその車の内は、浮線綾のふちをとつた青い簾が、重く封じこめて居りますから、はこには何がはいつてゐるか判りません。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
はこなどを網棚あみだなの上に片附けて、その手を摩払すりはらひつつ窓より首をいだして、停車場ステエションかたをば、求むるものありげに望見のぞみみたりしが
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
經藏きやうざう螺鈿らでんはこふたをとり、
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
眞中まなかに光りて瞳となるは、聖靈の歌人うたびとまちより邑にかのはこを移しゝ者なり 三七—三九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そこには同じ大理石の上に、かの聖なるはこを曳きゐたる事と牛ときざまれき(人この事によりてゆだねられざる職務つとめを恐る) 五五—五七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
と、そばに居る者に直ぐもうお得意はこの押売をしようとする。
「ねえ、マドロスさん、お炬燵こたが出来たらば、手風琴を弾いて唄を聴かせて頂戴、何でもいいわ、あなたのお得意はこのものをね。淋しいから陽気なものがいいでしょう、思い切って陽気な、賑やかな唄を聴かせて頂戴な。でも、淋しいのでもかまわない」
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
一体あんな馬鹿野郎を親方の可愛がるといふがわつちにはてんから解りませぬ、仕事といへば馬鹿丁寧ではこびは一向つきはせず、柱一本鴫居しきゐ一ツで嘘をいへば鉋を三度もぐやうな緩慢のろまな奴
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
一体あんな馬鹿野郎を親方の可愛がるというがわっちにはてんからわかりませぬ、仕事といえば馬鹿丁寧ではこびは一向つきはせず、柱一本鴫居しきい一ツで嘘をいえばかんなを三度もぐような緩慢のろまな奴
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
東の国の博士たちはクリストの星の現はれたのを見、黄金や乳香にゆうかう没薬もつやくを宝のはこに入れて捧げて行つた。
西方の人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
まず燕の卵と、蜂の巣と、蜘蛛くもとを、三つのはこにかくして、を立てさせたのです。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
傍に坐っていた者は同情して、それぞれ金を出してくれた。彼の男はそれを腰につけてから、はこたたいていった。
偸桃 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
李はそれでも、いい話相手を見つけたつもりで、ふくろはこを石段の上に置いたまま、対等なことばづかいで、いろいろな話をした。
仙人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
汽車はもう動きだしていたが、彼はどうにかこうにか昇降口にしがみついて、自分の車室はこへぱっと身を飜えして跳びこんだ。
遙か彼方のほうで、車室はこの窓からパーヴェル・パーヴロヴィチを呼ぶ心配そうな金切聲が聞こえてきた。
でも次の停車場へ来ると、肥つた男は煙管パイプくはへた儘ろくに挨拶もせずほか客車はこへ移つて往つた。
と巡査は、その男の入つた客車はこの方へあたふた駈けて往つたが、暫くすると、ひどく恐縮した顔をして帰つて来た。そして二度三度、カアネギイの前でお辞儀をした。
と忠蔵は応じたが何がなしに総身ゾッとして、木箱はこを探る手が顫えたのである。それでも弓弦を差し出すと、また同じ声同じ調子で、
日置流系図 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
典膳は、水面を見た。細い長い木箱はこが、月光で銀箔のように光っている水に浮いて、二、三度漂い廻ったが、やがて下流の方へ流れて行った。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
というのさえ、思出さねば気が付かない迄、すきな事、嬉しい事、床しい事も忘れていて、お暇乞いとまごいをしたあとで、何だかしきりに物たりなくって、三絃はこを前に、懐手でじっ俯向うつむいているうちに、やっと考え出したほどなんですもの。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大江匡おおえただす。」と答えた時、巡査は手帳を出したので、「ただすはこに王の字をかきます。一タビ天下ヲ匡スと論語にある字です。」
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
あたかも宝のはこを開きて手当り次第に宝石を取り出すが如くである。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
小翠は悲しそうな顔もせずに、平気ではこの中からいろいろの模様を取り出していじっていた。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
そのたびに春ちゃん——これが例のカフェ・ネオンの女給で「カフェ・ネオンの惨劇マーダー・ケース」の一花形はながたであるわけだが——から「またオーさんのお十八番はこよ。そんなに心配になるんなら、岩田の京ぼんに頼んで、いっそと思いに、感電殺かんでんころしをやってもらえばいいじゃないの、オーさんッ」と
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「いや、おめえには、御苦労だったが、おれが達者で出かければ、千両箱はこの二つは欠かすこッちゃあねえ。……江戸の御金蔵からさえ、千両箱の四つも担ぎ出した刑部だが、ああ、病気にゃてねえ」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この時ぐらい親の恩を有難いと思うた事は御座いません。親というものが無かったならこの時に私は、ほかの連中と一所に棺箱はこへ入れられて、それなりけりの千秋楽になっておりました訳で……。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あゝこれらのいとも富めるはこに——こは下界にて種をくにふさはしき地なりき——收めし物の豐かなることいかばかりぞや 一三〇—一三二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
俺は、それお特得はこの、「親々おやおやいざなはれ、難波なにわうら船出ふなでして、身を尽したる、憂きおもひ、泣いてチチチチあかしのチントン風待かぜまちにテチンチンツン……」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
毒薬と甘露とは其のはこを同じくし
智恵子抄 (新字旧仮名) / 高村光太郎(著)
いつの間に入ってきたのか少年がはこへ新しい衣服きものを入れて持ってきていた。杜陽はそれを受け取って着更えをしたが、不安でたまらなかった。
陳宝祠 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
さかえ溢るる藐姑はこの山、
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)