“車室”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はこ27.8%
しやしつ27.8%
しゃしつ22.2%
ヒュッテ5.6%
クーペ5.6%
コンパートメント5.6%
ワゴンリ5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また汽車に乗って、一つの車室はこに自分一人っきりのことも数回あったが、そんなときは、警報器が引きたくて狂気きちがいになりそうだった。
ピストルの蠱惑 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
ゆめらすやうな、朦朧まうろうとした、車室しやしつゆかに、あかち、さつあをふさつて、湯気ゆげをふいて、ひら/\とえるのを凝然じつると、うも
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わたしは、あのおも荷物にもつ車室しゃしつなかで、そんなことには無頓着むとんちゃくに、わらったり、はなしたりしていた人間にんげんが、にくらしくてしかたがありません……。
負傷した線路と月 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その車室ヒュッテには、侍女も連れずただ一人、表面は貴婦人の一人旅と見せかけて、伯爵夫人が乗っている。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
どんなあい客が、いつどこからのって来るか予想されない車室クーペのなかに、さし向いでとじこめられる一等車をさけて、伸子の乗ったのは、日本の汽車のような体裁の二等車だった。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
その方がかえって人目につかぬと見たのであろう。前から五両目の一等車の車室コンパートメントには、——丁抹デンマーク語でこれをヒュッテという。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
一等の車室ワゴンリを借りきってモスコーからパリーへ急行しつつある若いロシア人ルオフ・メリコフは、その植物のにおいに鼻孔びこうくすぐられながら、窓の外に眼をやると、そこには
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)