“かたみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カタミ
語句割合
記念26.8%
形見16.9%
遺物16.5%
遺品10.0%
紀念6.9%
肩身5.0%
遺身3.1%
片身2.7%
互2.3%
筐1.9%
交互1.5%
形身0.8%
記念品0.8%
迭0.8%
半身0.4%
篋0.4%
交0.4%
相互0.4%
筺0.4%
籠0.4%
置物0.4%
記章0.4%
遺児0.4%
遺念0.4%
遺髪0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(お退(ど)きと云うに。——やあ、お道さんの御(おん)母君、御(ご)母堂、お記念(かたみ)の肉身と、衣類に対して失礼します、御許し下さい……御免。)
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「姉さんがこの間買ってもらった裁縫箱よ。姉さんの形見(かたみ)にって、うちの祖母さんが私に持って行けって言うから私持って行ったのよ」
私の書斎には、死んだ父の遺物(かたみ)の一幅があります。それは紫野大徳寺の宙宝の書いた「松風十二時」という茶がけの一行ものです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
福は内の晩に——年越しの豆撒(まめまき)の夜——火鉢の炭火のカッカッと熾(おこ)っているのにあたっている時、あたしは祖父さんの遺品(かたみ)の、霰小紋(あられこもん)の
急ぎて裏門を出(い)でぬ、貴嬢(きみ)はここの梅林を憶(おぼ)えたもうや、今や貴嬢には苦しき紀念(かたみ)なるべし、二郎には悲しき木陰となり、われには恐ろしき場処となれり。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
將監御拾(おひろ)ひ申上將監の子と成(なら)せ玉ひしは御可憐(いたはし)き御事なり御殿(ごてん)にて御成長遊(あそ)ばし候へば我々とても肩身(かたみ)ひろく御奉公(ごほうこう)も勤(つと)むべきに殘念(ざんねん)の事なりと四人ともども申上しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
死人の遺身(かたみ)かと思われる、其の色は緑がかって聊か黒味を帯びて居る、随分世に類の多い髪の毛だ
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
片身(かたみ)違(ちが)いに足を動かしているうちに、いつのまにか平七はふらふらと、ゆうべのあの石原町の小料理屋の方へ歩いていった。
山県有朋の靴 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
地上の男子よく聞き給へ——何事ぞ互(かたみ)に劍(つるぎ)磨(と)ぎ給ふは——
母 (旧字旧仮名) / アダ・ネグリ(著)
えびらといふは如何なる物か知らねども、この歌にては桑の葉を摘(つ)み入れる筐(かたみ)の類かと見ゆるが不審に存候。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
左膳は、口の中で何やら唸りながら、源三郎と丹波を交互(かたみ)に見くらべて、釘づけになっているのだ。二人は、左膳と与吉の来ていることなど、もとより意識にないらしい。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「あすの勝負に用なき盾を、逢うまでの形身(かたみ)と残す。試合果てて再びここを過(よ)ぎるまで守り給え」
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さっきドゥーネチカの時計の話が出たとき、母があれを見せろと言やしないかと思って、僕はびくびくしていたんだ。何しろ親父のあとに残った唯一の記念品(かたみ)なんだから。
宮が居間と謂(い)ふまでにはあらねど、彼の箪笥(たんす)手道具等(など)置きたる小座敷あり。ここには火燵(こたつ)の炉を切りて、用無き人の来ては迭(かたみ)に冬籠(ふゆごもり)する所にも用ゐらる。彼は常にここに居て針仕事するなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
と云ううちに、店の天井からブラ下っていた鰤の半身(かたみ)を引卸して、片手ナグリに箒売を土間へタタキ倒した。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
鼻の先の天井裏からは荒縄で縛った生鰤(ぶり)の半身(かたみ)が、森閑とブラ下っているが、無い袖は振られぬ理窟で、五合桝を中に置いて涙ぐましく顔を見交しているところへ天なる哉
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
此(この)時(とき)程済は辛くも篋(かたみ)を砕き得て、篋中(きょうちゅう)の物を取出(とりいだ)す。出(い)でたる物は抑(そも)何ぞ。釈門(しゃくもん)の人ならで誰(たれ)かは要すべき、大内などには有るべくも無き度牒(どちょう)というもの三張(ちょう)ありたり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
昔高帝(こうてい)升遐(しょうか)したもう時、遺篋(いきょう)あり、大難に臨まば発(あば)くべしと宣(のたま)いぬ。謹んで奉先殿(ほうせんでん)の左に収め奉れりと。羣臣(ぐんしん)口々に、疾(と)く出(いだ)すべしという。宦者(かんじゃ)忽(たちまち)にして一の紅(くれない)なる篋(かたみ)を舁(か)き来(きた)りぬ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
りしが影(かげ)さへ見ず成(なり)し頃やう/\我(われ)に歸りつゝ慌忙(あわてゝ)奧(おく)に走り入り今の次第を斯々(かう/\)と話すに妻も且呆(あき)れ且は驚く計りにて夫婦(ふうふ)交(かたみ)に面(おもて)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼と信仰の間の縁(えにし)、聖盤(サクロフォンテ)のほとりに結ばれ、かれらかしこにて相互(かたみ)の救ひをその聘物(おくりもの)となしゝ後 六一—六三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
忰の筺(かたみ)の品を二品ほしいと仰ゃるんで、上等兵になった時の写真を二枚持ってまいりましたがね、その時の儀式と云うものが大変なもんでした。
躯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
傍(かたへ)より、笑(ゑ)みて静かに籠(かたみ)なる木の実撰(え)りつつ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「浪々して以来の置物(かたみ)、同じ剃(そ)るなら、大望を遂げての後、サッパリと落したい」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その時までの記章(かたみ)にはおれが秘蔵のこの匕首(これにはおれの精神(たましい)もこもるわ)匕首を残せば和女もこれで煩悩(ぼんのう)の羈(きずな)をばのう……なみだは無益(むやく)ぞ
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
私自身を言うて見ても、秩父(ちゝぶ)暴動と云ふことは、明治の舞台を飾る小さき花輪になつて居るけれ共、其犠牲になつた無名氏の一人の遺児(かたみ)が、父母より譲受(ゆづりう)けた手と足とを力に
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
遺念(かたみ)になった、昨年は河童(かっぱ)橋から徳本峠まで、落葉松(からまつ)の密林が伐り靡けられた、本年は何でも、田代池の栂(つが)を掃(はら)ってしまうのだそうであるが、あるいはもう影も形もなくなって
上高地風景保護論 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
亡兄(あに)の遺髪(かたみ)や小袖を持った。陣中に女の長居は無用。おゆうは次の日すぐ秀吉に
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)