かたみ)” の例文
して見ると、貧病、かたみに至るのも、むしろ劉にとつては、幸福と云ふべきである。
酒虫 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
宮が居間とふまでにはあらねど、彼の箪笥たんす手道具など置きたる小座敷あり。ここには火燵こたつの炉を切りて、用無き人の来てはかたみ冬籠ふゆごもりする所にも用ゐらる。彼は常にここに居て針仕事するなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)