“迭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かた18.2%
かたみ18.2%
かわ18.2%
たが9.1%
9.1%
がわ9.1%
たがい9.1%
たがひ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は、若い男鹿の四肢のやうに、スラリとしなやかな少年の姿を、飽かず眺めたり、父と母とにかたみに話しかける簡単な会話に、耳を傾けたりしてゐた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
して見ると、貧病、かたみに至るのも、むしろ劉にとつては、幸福と云ふべきである。
酒虫 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
と、信一は欄干に腰をかけて、真っ白な柔かい足の裏をかわる/″\私達の鼻先へつき出した。
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
良心と悪意とは白糸のたのむべからざるを知りて、ついにたがいにたたかいたりき。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
黒吉はやっとほっとした落着きを味わいながら、あの煎餅のかけらを持ちえると、それがさも大切な宝石でもあるかのように、そーっと手のひらに載せて見た。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
黒吉は、思わずに浮いた脂汗を、かわがわる肉襦袢の腿のあたりに、こすりつけた。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
然るに世をうるの後はたがいに兵を擁して、以て皇帝をあやうくせり。昔は賈誼かぎ漢の文帝に勧めて、禍を未萌みぼうに防ぐの道をもうせり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
たまたま衆客しゆうかくみなさかづきを挙げて主人の健康を祝するや、ユウゴオかたはらなるフランソア・コツペエを顧みて云ふやう、「今この席上なる二詩人たがひに健康を祝さんとす。また善からずや」