“たが”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タガ
語句割合
55.6%
21.4%
12.4%
3.4%
多賀1.3%
1.1%
0.8%
0.5%
0.3%
0.3%
0.3%
田涸0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
𫁹0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
江戸に住居する数百数千、ありとあらゆる町奴、みな長兵衛を頭と頼み、命を奉ずる手足の如く、たがう者とてはございませんでした。
二人町奴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
段々監督がたがをゆるめ、馬鹿らしいちゃりを入れ出したので、終りまで見る気がなくなったが、私はそこまで可なり愉快であった。
茶色っぽい町 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
塾長と塾生とが川をへだてて相対峙あいたいじしているような格好では、懇談できない。第一、これでは君らおたがいの間の話し合いに不便だろう。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
幸ひに西も東も午後一時何分とか時間にたがひ少なきゆゑ共に停車塲ステーシヨンに入り道人は西我は東煙は同じ空になびけど滊車は走る道を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
今にいずれかへ祭場を移される他はあるまいと私も思っている。それから近江おうみ多賀たが大社、あそこでは毎日烏に神供じんぐを与える行事が、今でもまだ続いている。
これの男女は、いずれも牧人ぼくじんでした。もうこの地方は暖かで、みんなは畑や田に出て、たがやさなければなりませんでした。
月と海豹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
御機嫌ごきげんよろしゅうと言葉じり力なく送られし時、跡ふりむきて今一言ひとことかわしたかりしを邪見に唇囓切かみしめ女々めめしからぬふりたがためにかよそおい、急がでもよき足わざと早めながら
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
筆を取って疾くしるすに、一字をたがえず、云々
ここに天皇、天の下の氏氏名名の人どもの、氏かばねたがあやまることを愁へまして、味白檮うまかし言八十禍津日ことやそまがつひさきに、玖訶瓮くかべを据ゑて、天の下の八十伴やそともの氏姓を定めたまひき。
ここに舊辭の誤りたがへるを惜しみ、先紀のあやまあやまれるを正さまくして、和銅四年九月十八日を以ちて、臣安萬侶に詔して、稗田の阿禮が誦める勅語の舊辭を撰録して、獻上せよと宣りたまへば
良心と悪意とは白糸のたのむべからざるを知りて、ついにたがいにたたかいたりき。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
左側さそくの席の前端まえはしに並びたる、威儀ある紳士とその老母とは、顔を見合わせてたがいに色を動かせり。渠は質素なる黒の紋着きの羽織に、節仙台ふしせんだいはかま穿きて、その髭は弁者より麗しきものなりき。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夫れ大人ひじりのりを立つる、ことわり必ず時に随ふ。いやしくも民にくぼさ有らば、何ぞ聖造ひじりのわざたがはむ。まさ山林やま披払ひらきはら宮室おほみや経営をさめつくりて、つゝしみて宝位たかみくらゐに臨み、以て元元おほみたからを鎮むべし。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
うさんな六波羅武士どもが、郷々さとざと田涸たがれを検見けみにまいったなどと申しながら、それとなく邸内を窺い見つつ、小半日もムダばなしの末、ついさきほど帰ったばかりだ……。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三尺帯を締めまして、少し頭痛がする事もあると見えて鉢巻もしては居るが、禿頭で時々すべっては輪のなりで抜けますから手でめておきますが、たがの様でございます。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
新「少したががゆるんだね、大きななりをしてお守を下げて歩けやアしねえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
諸の神たちにせて詔りたまはく、「もし天若日子、みことたがへず、あらぶる神を射つる矢の到れるならば、天若日子になあたりそ。もしきたなき心あらば、天若日子この矢にまがれ一六
「輻はそれでいいでしょうが、こしきはそういきません。その上たがもいたんでます。」
唐は手に取つて視ると、大きさから、重さから、骨質から、釉色いうしよくの工合から、全く吾が家のものと寸分たがはなかつた。
骨董 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
時節は既に冬近くなっていたが南国の山水はまだ夏のようであったと見えて、枕山は「南中景物従頭錯。路草過秋尚浅青。」〔南中ノ景物頭従はじめよたがヘリ/路草秋ヲ過ギテ尚浅青ナリ〕と吟じた。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
(ああ、こいつは悪くなって来た。みんな悪いことはこれからたがってやって来るのだ。)
風の又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
而してその小く痩せたる身も亦空想界に屬するものゝ如くなりしなり。おん身若し我言をたがへりとし給はゞ、そは猶肉身なくて此世に在らんを好しとし給ふごとくならん。
わかこゝろにはなさけなく𫁹たがのゆるびし岡持をかもち豆腐おかべつゆのしたゝるよりも不覺そゞろそでをやしぼりけん、兎角とかくこゝろのゆら/\とゑり袖口そでぐちのみらるゝをかてゝくわへて此前このまへとし春雨はるさめはれてののち一日
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)