たが)” の例文
その男のいふのでは、牛程人間の役に立つものはすくない。田をたがへし、荷車をき、頭から尻尾しつぽさきまで何一つ捨てるところも無い。
これの男女は、いずれも牧人ぼくじんでした。もうこの地方は暖かで、みんなは畑や田に出て、たがやさなければなりませんでした。
月と海豹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おもい見よ、誰か罪なくして亡びし者あらん、ただしき者の絶たれし事いずくにりや、我の観る所によれば不義をたがえし悪を
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
三筋みすじばかりたがやされた土が、勢込いきおいこんで、むくむくとき立つような快活なにおいめて、しかも寂寞せきばくとあるのみで。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)