“勢込”の読み方と例文
読み方割合
いきおいこ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三筋みすじばかりたがやされた土が、勢込いきおいこんで、むくむくとき立つような快活なにおいめて、しかも寂寞せきばくとあるのみで。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
取次に出た書生が、名刺を握って、何かしら勢込いきおいこんで主人の居間に入って来た。見ると、その名刺には、待兼まちかねた「三笠龍介」の名が大きく印刷してあった。
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
白根葵の咲いた崖腹を一町ばかり行くとまた屏風が始まる、一曲して鋭く右に折れた河の中では、花崗片麻岩の大塊が脊較せいくらべをして、水は其上を勢込いきおいこんで駆け上り駆け下りている。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)