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互
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たが
ふりがな文庫
“
互
(
たが
)” の例文
「ではお
互
(
たが
)
いに子を生んであかしを立てましょう。生まれた子によって、二人の心のよしあしがわかります」とおっしゃいました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
塾長と塾生とが川をへだてて
相対峙
(
あいたいじ
)
しているような格好では、懇談できない。第一、これでは君らお
互
(
たが
)
いの間の話し合いに不便だろう。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
その
辛
(
つら
)
い気持ちをお
互
(
たが
)
いにざっくばらんにいえないだけに、余計焦々して私はピントを合せるのに、微笑の顔が
歪
(
ゆが
)
みそうであった。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「さあ、おりるんですよ」青年は男の子の手をひき
姉
(
あね
)
は
互
(
たが
)
いにえりや
肩
(
かた
)
をなおしてやってだんだん
向
(
む
)
こうの出口の方へ歩き出しました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
測る道具と測る品物が往々にして
異
(
ことな
)
るので、この二者を混同するとつまらぬことに
争
(
あらそ
)
いが起こり、
互
(
たが
)
いに
不愉快
(
ふゆかい
)
の念を
生
(
しょう
)
ずるにいたる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
▼ もっと見る
まあ、お
互
(
たが
)
いに
自分
(
じぶん
)
の
生
(
う
)
まれついた
身分
(
みぶん
)
に
満足
(
まんぞく
)
して、
獣
(
けもの
)
は
獣同士
(
けものどうし
)
、
鳥
(
とり
)
は
鳥同士
(
とりどうし
)
、
人間
(
にんげん
)
は
人間同士
(
にんげんどうし
)
、
仲
(
なか
)
よく
暮
(
く
)
らすほどいいことはないのだ。
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
唯
(
たゞ
)
皆
(
みな
)
あまり
仲間
(
なかま
)
づきあひが
盛
(
さか
)
んに
行
(
おこな
)
はれたゝめに、
歌
(
うた
)
は、お
互
(
たが
)
ひによい
影響
(
えいきよう
)
ばかりでなく、わるい
流行
(
りゆうこう
)
を
起
(
おこ
)
すことになりました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
隔
(
へだ
)
ては
次第
(
しだい
)
に
重
(
かさ
)
なるばかり、
雲霧
(
くもきり
)
がだんだんと
深
(
ふか
)
くなつて、お
互
(
たが
)
ひの
心
(
こゝろ
)
の
分
(
わか
)
らないものに
成
(
な
)
りました、
今
(
いま
)
思
(
おも
)
へばそれは
私
(
わたし
)
から
仕向
(
しむ
)
けたので
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
柳吉は反対側の
壁
(
かべ
)
にしがみついたまま
離
(
はな
)
れず、口も利けなかった。お
互
(
たが
)
いの心にその時、えらい駈落ちをしてしまったという
悔
(
くい
)
が
一瞬
(
いっしゅん
)
あった。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
かくて
互
(
たが
)
ひに
衝
(
つ
)
いつ
撃
(
う
)
っつの
折
(
をり
)
から、おひ/\
多人數
(
たにんず
)
馳加
(
はせくは
)
はり、
左右
(
さいふ
)
に
別
(
わか
)
れて
戰
(
たゝか
)
ふ
處
(
ところ
)
へ、
領主
(
との
)
が
見
(
み
)
えさせられ、
左右
(
さう
)
なく
引別
(
ひきわけ
)
と
相成
(
あひな
)
りました。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
ところが真中にふたりの少年がお
互
(
たが
)
いに相手の
腕
(
うで
)
をつかんだままにらみあって立っています。足を四方にふんばっていっかな動こうとしません。
決闘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
二人はぶるぶるふるえながら、しっかりと
抱
(
だ
)
き合って、子供らしい言葉で
互
(
たが
)
いに
慰
(
なぐさ
)
め合うよりしかたがありませんでした。
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
その上、それが
互
(
たが
)
い
違
(
ちが
)
いに奥さんの心を支配するのでなくって、いつでも両方が同時に奥さんの胸に存在しているのだと思うようになったのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
知り
乍
(
なが
)
ら夫となしに梅を
速
(
すみや
)
かに
離縁
(
りえん
)
に及び其上叔母へ金子迄を
遣
(
つか
)
はしたるを
阿容々々
(
おめ/\
)
と二人ながら引取親子
互
(
たが
)
ひに妻と致し其上にも
厭足
(
あきた
)
らず傳吉を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
父はわたしに、
奇妙
(
きみょう
)
な
影響力
(
えいきょうりょく
)
を持っていたし、そう言えば、
互
(
たが
)
いの関係にしたところで、やはり奇妙なものだった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
そこで別れの
接吻
(
ベエゼ
)
などしてから、お
互
(
たが
)
いに、片手をあげては、スカアルの小さくなるまで、合図を
交
(
かわ
)
していました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
僕もそれについては何もお
訊
(
き
)
きしなかったが、それでも
或
(
あ
)
る気持はお
互
(
たが
)
いに通じ合っていたようでしたけれど、いま僕は、あの時のようにこだわらずに
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「
外
(
そと
)
にでても、
此處
(
こゝ
)
で一つの
莢
(
さや
)
の
中
(
なか
)
で、かうしてお
互
(
たが
)
ひに
大
(
おほ
)
きくなつたことをわすれないで、
仲善
(
なかよ
)
くしませうね」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
おかみさんはきいきい
言
(
い
)
って、
火箸
(
ひばし
)
でぶとうとするし、
子供達
(
こどもたち
)
もわいわい
燥
(
はしゃ
)
いで、
捕
(
つかま
)
えようとするはずみにお
互
(
たが
)
いにぶつかって
転
(
ころ
)
んだりしてしまいました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
あるいはまた、家道
紊
(
みだ
)
れて取締なく、親子妻妾
相
(
あい
)
互
(
たが
)
いに無遠慮
狼藉
(
ろうぜき
)
なるが如きものにても、その主人は必ず特に短気無法にして、家人に恐れられざるはなし。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
子供達はびっくりして、
互
(
たが
)
いに顔を見合わせました。するうちに、ある一人がふと思い出しました。
お山の爺さん
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「半十郎、貴様とは、
互
(
たが
)
いに
敵
(
かたき
)
になったぞ。おれは、これから西へ行くが、どこかの果てでめぐりあったら、五百目玉の抱え大砲で勝負をつけることにする。忘れるな」
ひどい煙
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
楚
(
そ
)
では王族の一人が
病臥
(
びょうが
)
中の王の
頸
(
くび
)
をしめて位を
奪
(
うば
)
う。
呉
(
ご
)
では足頸を
斬取
(
きりと
)
られた罪人共が王を
襲
(
おそ
)
い、晋では二人の臣が
互
(
たが
)
いに妻を
交換
(
こうかん
)
し合う。このような世の中であった。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
これ等は
互
(
たが
)
い違いに
執拗
(
しつこ
)
く
明滅
(
めいめつ
)
を繰り返すが、その間にいくつもの意味にならない物の形や、不必要に突き
詰
(
つ
)
めて行くあだな考えや、ときどきぱっと眼を空に開かせるほど
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「いや、お
互
(
たが
)
いの
年齢
(
とし
)
となっては、疲れを除くには睡眠にかぎるようじゃ。すなわち、いよいよ年齢をとれば、大量の睡眠が必要となり、すなわち永遠の眠りにつくというわけじゃ」
大使館の始末機関:――金博士シリーズ・7――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
互
(
たが
)
い
交
(
ちが
)
いに、槍と槍をもって、彼の体を挟んだ二人の法師は、
喚
(
わめ
)
き合って、味方へ
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そういえば、ここで問題としていた高真空と象限電位計による極微電流の測定との間には、その技術のこつに、
互
(
たが
)
いに一脈通ずるものがあった。両方ともに、
恐
(
おそ
)
るべきものは
漏洩
(
ろうえい
)
である。
実験室の記憶
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「やるか。ではお
互
(
たが
)
いが
打
(
う
)
ち
倒
(
たお
)
されて
眠
(
ねむ
)
ってしまうまでやろう。」
柔道と拳闘の転がり試合
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
おれと
君
(
きみ
)
とは
塀
(
へい
)
を
隔
(
へだ
)
てゝめくら
探
(
さが
)
しにお
互
(
たが
)
ひを
求
(
もと
)
め
合
(
あ
)
ひ
一九三二・二・二六:―白テロに斃た××聯隊の革命的兵士に―
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
いや、どうも お
互
(
たが
)
ひさまで
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
「ひとつためしに二人で道具を取りかえて、
互
(
たが
)
いに持ち場をかえて、りょうをしてみようではありませんか」とおっしゃいました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
しかしわたしには、また
考
(
かんが
)
えがあるから、そんなに
心配
(
しんぱい
)
しないでもいいよ。お前たちは
霧
(
きり
)
でお
互
(
たが
)
いに顔も見えずさびしいだろう
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そのうちお
酒
(
さけ
)
が
出
(
で
)
ますと、みんなお
互
(
たが
)
いに
土器
(
かわらけ
)
のお
杯
(
さかずき
)
をうけたり、さしたり、まるで
人間
(
にんげん
)
のするとおりの、
楽
(
たの
)
しそうなお
酒盛
(
さかも
)
りがはじまりました。
瘤とり
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
兄妹は少しでも
暖
(
あたた
)
まろうと、
互
(
たが
)
いにぎっしりと
抱
(
だ
)
き合っていました。そしてそのまま
静
(
しず
)
かな
眠
(
ねむ
)
りに落ちて行きました。
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
大路
(
おほぢ
)
の
柳
(
あなぎ
)
月
(
つき
)
のかげに
靡
(
なび
)
いて
力
(
ちから
)
なささうの
塗
(
ぬ
)
り
下駄
(
げた
)
のおと、
村田
(
むらた
)
の二
階
(
かい
)
も
原田
(
はらだ
)
の
奧
(
おく
)
も
憂
(
う
)
きはお
互
(
たが
)
ひの
世
(
よ
)
におもふ
事
(
こと
)
多
(
おほ
)
し。
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ロミオ
眞實
(
しんじつ
)
、
予
(
わし
)
の
目
(
め
)
にも、
卿
(
そもじ
)
の
顏
(
かほ
)
が
然
(
さ
)
う
見
(
み
)
ゆる。
憂悲愁
(
うきかなしみ
)
が
互
(
たが
)
ひの
血汐
(
ちしほ
)
を
涸
(
か
)
らしたのぢゃ。おさらば、おさらば!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
願ふならば忽ちに相分らんと申しけるに傳吉
偖
(
さて
)
其の盜人は此座中に在りと申しければ皆々夫はと云つて
互
(
たが
)
ひに
顏
(
かほ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それでいて、
黙々
(
もくもく
)
と寄り
添
(
そ
)
って、歩いているだけで、お
互
(
たが
)
いには、なにもかもが、すっかり
解
(
わか
)
りきっているのだ。あたたかい白砂だ。なごやかな春の海だ。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
これからのお
互
(
たが
)
いの共同生活をどう組立てて行くか、それを今から相談したいと思うが、しかし、これだけの人数が、まだめいめいの頭を整理しないうちに
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
お
互
(
たが
)
いの
体
(
からだ
)
をかぎあったり、そしておしまいにはずっと以前からなかよしだったもののように、森川君と次郎君をおきざりにしてあっちへならんでいってしまいました。
決闘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
つまり
上手
(
じようず
)
どうしが、
皆
(
みな
)
肝腎
(
かんじん
)
の
點
(
てん
)
よりもごく
枝葉
(
えだは
)
にわたるところに
苦勞
(
くろう
)
をして、それをお
互
(
たが
)
ひに
誇
(
ほこ
)
りあつたゝめに、それが
重
(
かさ
)
なり/\して、いけないことが
起
(
おこ
)
つて
來
(
き
)
ました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
とっさに意を決した紀昌が矢を取って狙いをつければ、その気配を察して飛衛もまた弓を
執
(
と
)
って相応ずる。二人
互
(
たが
)
いに射れば、矢はその度に中道にして相当り、共に地に墜ちた。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
それぞれ父親から
縁談
(
えんだん
)
をもち出されると、我々は見る見るお
互
(
たが
)
いどうし好きになって、一足とびに
結婚
(
けっこん
)
してしまったというわけ。わたしの話は、ほんの
二言
(
ふたこと
)
で済んでしまいますよ。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
与平が五十七、千穂子が三十三であったが、お
互
(
たが
)
いは、まるで、無心な子供に近い運命しか感じてはいないのだろう……。二人とも、ただ、隆吉だけを恐ろしいと思うだけである。
河沙魚
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
お
互
(
たが
)
いの
子弟
(
してい
)
を依頼するは、ただ文字や数学を教えらるるが目的でない。いわば
霊魂
(
たましい
)
の教育をお頼みするのである。かかる重大事を十五円の月給取りに頼むことはあまり心もとない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
二人の刑事は顔を衝突せんばかりに近づけて、お
互
(
たが
)
いの腕を
掴
(
つか
)
み合った。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その
瞬間
(
しゅんかん
)
、ニワトコの木の
枝
(
えだ
)
の中でザワザワという音がしました。子供たちは両手を合せて、
互
(
たが
)
いに顔を見合せました。たしかに神さまが子供を連れてきたのです。——ふたりは手を取り合いました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「わしのつり道具を返してくれ、海のりょうも山のりょうも、お
互
(
たが
)
いになれたものでなくてはだめだ。さあこの弓矢を返そう」
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
お日さまはずうっと高くなり、シグナルとシグナレスとはほっとまたため
息
(
いき
)
をついてお
互
(
たが
)
いに顔を見合わせました。
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
しかし、子供めいたお
互
(
たが
)
いの友情を、そんなふうに
歪曲
(
わいきょく
)
して
弄
(
もてあそ
)
ばれることは、
我慢
(
がまん
)
できない腹立たしさでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
互
常用漢字
中学
部首:⼆
4画
“互”を含む語句
交互
相互
相身互
互違
相見互
御互
互先
互市場
互角
互樣
互生葉
互譲
相互扶助論
互市
連互
互替
相身互身
互交
互助論
相互援助法
...