“交換”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうかん37.2%
とりかわ16.3%
かうくわん11.6%
とりかは7.0%
とりか7.0%
やりとり4.7%
かえ2.3%
かえっこ2.3%
かは2.3%
かわ2.3%
こうくわん2.3%
とりやり2.3%
ひきかえ2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
前の汽車と停車場で交換こうかんしたのでしょうか、こんどは南の方へごとごと走る音がしました。何だか車のひびきが大へんおそく貨物列車らしかったのです。
二十六夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
後に成って、反って大塚さんは眼に見えない若い二人の交換とりかわす言葉や、手紙や、それから逢曳あいびきする光景さままでもありありと想像した。
刺繍 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
近所きんじよ女房にようばうれたのをさいはひに自分じぶんあとからはしつてつた。鬼怒川きぬがはわたしふね先刻さつき使つかひと行違ゆきちがひつた。ふねからことば交換かうくわんされた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
『どうも大降りがいたしました。』といふ極りの挨拶を交換とりかはした後、やがて別れて行かうとする高柳を呼留めて、町会議員は斯う言出した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
馬は三頭でしてね、『一頭は三年まえに買っただし、川原毛のやつは、やはり川原毛のやつと交換とりかえたのでがす。もう一頭の方も買ったんで……』
また盃の交換やりとりが始つたらしい。若い女の声で、『姉さん、お銚子』などと呼び騒ぐのを聞捨てゝ、丑松敬之進の二人は三浦屋のわきを横ぎつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そこで二人は衣裳を交換かえた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「よく訊いた、さて本心だが、どうだい「爺つあん」交換かえっこしようじゃねえか」釜無しの文はヅッケリと云った。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
さればといつて、別に話すでもなく、細めた洋燈ランプの光に、互ひの顏を見てはをとなしく微笑ほゝゑみ交換かはしてゐた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
多年近所に住んでいながら、わたしの家で徳さんに仕事を頼むのはこれが初めてであった。わたしはこの時はじめて徳さんと正面にむき合って、親しく彼と会話を交換かわしたのであった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
おそらく兩方りやうほうならん。交換こうくわんの方法コロボックル先づ何品かをたづさきたりアイヌの小家のり口又はまどまへに進み此所にてアイヌの方より出す相當そうとうしなと引きへにせしものなりとぞ。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
しかし二人の間に何というきまった題目も起らないので、それを種に意見や感情の交換とりやりも始まる機会おりはなく、ただだらしのない雲のようにそれからそれへと流れて行くだけに過ぎなかった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「お黙んなさい。時計と交換ひきかえにお礼の百円を戴きに来ました。」
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)