交換とりかは)” の例文
『どうも大降りがいたしました。』といふ極りの挨拶を交換とりかはした後、やがて別れて行かうとする高柳を呼留めて、町会議員は斯う言出した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
かつその姿を改めぬ、木星ジョーヴェもし火星マルテとともに鳥にして羽を交換とりかはしなば、またかくの如くなるべし 一三—一五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
省吾は少許すこし顔をあかくして、やがて自分の席へもどつた。参観人は互に顔を見合せ乍ら、意味の無い微笑ほゝゑみ交換とりかはして居たのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
私達二人は店の横手の日のあたつた土藏のところに倚凭よりかゝりながら、少年らしい簡單な言葉を交換とりかはすのみでした。
『おつかれ』(今晩は)とふ人毎に声を掛けるのは山家の黄昏たそがれ習慣ならはしである。丁度新町の町はづれへ出て、帰つて行く農夫に出逢ふ度に、丑松はこの挨拶を交換とりかはした。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)