交換かうくわん)” の例文
近所きんじよ女房にようばうれたのをさいはひに自分じぶんあとからはしつてつた。鬼怒川きぬがはわたしふね先刻さつき使つかひと行違ゆきちがひつた。ふねからことば交換かうくわんされた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
小六ころく幾分いくぶん安之助やすのすけ利害りがい代表だいへうしてゐるやう口振くちぶりであつた。それから三にんあひだに、しばらく談話だんわ交換かうくわんされたが、仕舞しまひ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しか労力らうりよく仕払しはらふべき、報酬はうしうりやう莫大ばくだいなるにくるしんで、生命いのちにもへて最惜いとをし恋人こひびとかりうばふて、交換かうくわんすべき条件でうけんつる人質ひとじちたに相違さうゐない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
相變らず冗談を交換かうくわんし乍ら、平次には事件の外貌を八方から探らうとする興味が動いた樣子です。
國語こくご國民思想こくみんしさう交換かうくわん聯絡れんらく結合けつがふ機關きくわんで、國民こくみん神聖しんせいなる徽章きしやうでもあり、至寶しはうでもある。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
「おとつゝあつてんだからんねえ」與吉よきちあががまちむねたせて下駄げた爪先つまさき土間どまつちたゝきながら卯平うへいうして數語すうご交換かうくわんしたとき
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
懇意こんいわか青年せいねん心易立こゝろやすだてはな遠慮ゑんりよのない題目だいもくは、是迄これまで二人ふたりあひだ何度なんどとなく交換かうくわんされたにもかゝはらず、安井やすゐはこゝへて、息詰いきづまつたごとくにえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「そんぢや、それせな、かねさんもそれ」かれ二人ふたり茶碗ちやわん自分じぶん交換かうくわんさせて、それを兩方りやうはうわたしてさけいだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
けれどもおやからつたはつた抱一はういつ屏風びやうぶ一方いつぱういて、片方かたはうあたらしいくつおよあたらしい銘仙めいせんならべてかんがへてると、このふたつを交換かうくわんすること如何いかにも突飛とつぴかつ滑稽こつけいであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)