“靴”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
くつ94.0%
ぐつ5.5%
クワ0.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
トーマスは、さんさんとかがやく太陽たいようの下で、いつまでも、どちらをはくかまよいつづけて、ぼんやりとくつをみながらすわっていた。
浜田は茶っぽい背広を着て、チョコレート色のボックスのくつにスパットを穿いて、群集の中でも一ときわ目立つ巧者な足取で踊っています。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
事務室の障子をあけて、二畳敷きほどもある大囲炉裏の切られた台所に出て見ると、そこの土間に、一人の男がまだくつも脱がずに突っ立っていた。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
旦那だんな役所やくしよかよくつさきかゞやいてるけれども、細君さいくん他所行よそいき穿物はきもの
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そして、狂気のようになって、甲板へ出ようとしますけれど、そこには岩のようなくつと、ヒューヒューうなるむちが待ち構えているのでした。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それは川面かわも漣波れんぱに、蘆荻ろてきのそよぎに、昼顔の花に、鳥のさえずりに、ボロ服とボロぐつにあるのではないか。
映画雑感(Ⅰ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「実にいゝ景色だねえ。も少し急いで行かうか。」と二疋が両方から、まだ破けないカン蛙のゴムぐつを見ながら一緒に云ひました。
蛙のゴム靴 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「おお! おかみさん、えらくりだしたじゃねえか。いやになるねえ、いつまでも寒くて、この大雪おおゆきじゃ、わしのぼろぐつで歩くのはこたえまさあね」
石井翁は綿服ながら小ザッパリした衣装なりに引きかえて、この老人河田翁は柳原仕込やなぎわらじこみの荒いスコッチの古洋服を着て、パクパクぐつをはいている。
二老人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「さうか。そんなら一つお前さん、ゴムぐつを一足工夫して呉れないか。形はどうでもいいんだよ。僕がこしらへ直すから。」
蛙のゴム靴 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
又、クワクツの下に今一重別にはいてゐるので、下沓シタグツと言ふのだとすれば、此も亦あたりまへである。
日琉語族論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)