“ぐつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
57.9%
21.1%
10.5%
都合5.3%
5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
喜六君はズックぐつをぬいで、畠の垣根かきねになっているまきの根方にかくし、いたちのようにすばやく、池の方へのぼってゆきました。
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
毛皮外套をても、ゴムぐつを穿いても余り長く外に立つてはゐられない。せぎ合つてゐる人の体のぬくもりは、互に暖めはしないで、却て気分を悪くする。
防火栓 (新字旧仮名) / ゲオルヒ・ヒルシュフェルド(著)
『七日八日見ねえでるうちに、お定ツ子アぐつ女子をなごになつたなあ。』と四邊あたり構はず高い聲で笑つた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「あんさんのお父つぁんに都合ぐつが悪うて、私は顔合わされしまへんがな」柳吉は別に異をてなかった。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
が、柳吉は「お前は家にりイな。いま一緒に行ったら都合ぐつが悪い」蝶子は気抜けした気持でしばらく呆然ぼうぜんとしたが、これだけのことは柳吉にくれぐれも頼んだ。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
彼はすりきれたわらぐつをはき、垢じみた布帽をかぶり、破衣はいをひるがへしてむかしの王子として君臨してゐた城下を氣のへんな風來僧となつて歩きまはつてゐた。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)