“はきもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
履物74.0%
穿物22.0%
2.0%
0.7%
穿履0.7%
鞋履0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
渡瀬はやむを得ずそこに突立って自分の下駄と新井田氏が脱ぎ捨てた履物はきものとを較べなどしていた。その時頭のすぐ上で突然音がした。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
船中の混雑は中々容易ならぬ事で、水夫共は皆筒袖つつそでの着物は着て居るけれども穿物はきもの草鞋わらじだ。草鞋が何百何千そくも貯えてあったものと見える。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
内田氏は何事にも念に念を入れて、駄目を押さないと承知出来ないたちだから、今一度言つておくが、今度洋行を命ぜられたのは、内田氏自身で、内田氏のはきものでも、外套でもない。
傴僂せむしのように体を屈めてむやみにお辞儀をする者が家の中に一ぱいになった。参朝すると六卿がうやまいあわてて、はきものをあべこべに穿いて出て迎えた。侍郎じろうの人達とはちょっと挨拶して話をした。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
外廊の沓脱石くつぬぎには、いつか穿履はきものまでそろえてある。そこらの家中の侍たちへ師直は小声で何かいい残していた。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
正直な愚者周利槃特は、真面目まじめにこの一句を唱えつつ考えました。多くの坊さんたちの鞋履はきものを掃除しつつ、彼は懸命にこの一句を思索しました。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)