“履”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
44.2%
26.3%
くつ21.0%
はき1.3%
はい1.3%
はか1.3%
はきもの1.3%
0.9%
ぐつ0.4%
げた0.4%
ふま0.4%
ふん0.4%
クツ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大手町で電車を降り、停留場前のバラック仮建築の内務省の門衛に訊き、砂利を踏んで這入つて、玄関で竹草履にきかへてゐると
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
すくなくともこの事件が、前記の通りの状態で勃発して、如何なる径路をんで吾輩の手にズルズルベッタリにり込んで来たか。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
のちに同胞を捜しに出た、山椒大夫一家の討手が、この坂の下の沼ので、小さい藁履を一拾った。それは安寿のであった。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
今来た入口に、下駄屋と駄菓子屋が向合って、駄菓子屋に、ふかし芋と、でた豌豆を売るのも、下駄屋の前ならびに、子供のものの目立っていのも、ものしい。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
て今より何所へのだと聞れて久兵衞は南無三寶められしか最早なる上は是非に及ばず
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
私は何んともいえず気のかない即ち大阪語でいえばもっさりとした、しかも上等のきものを着せられ、畳表の下駄をされるのだ。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
かやうの所いづかたにもあるゆゑに下踏をならべ蹉跌ざるとす。唐土にては是をとて山にのぼるにすべらざるとす、和訓カンジキとあり。
晏子えて「の通りで御座ります。近来はの価がく、の価がくなりましたように存じまする」と申上げた。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
彼はすりきれたわらをはき、垢じみた布帽をかぶり、破衣をひるがへしてむかしの王子として君臨してゐた城下を氣のへんな風來僧となつて歩きまはつてゐた。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
何千部何万部刷ろうとも失われた一冊は日本文化に取っては一冊の世界的知識の損失であると、感慨一時に湧いて来たが、周囲の人声やの音に忽ち消されて了った。
彼の高厳荘重なるミルトンまでも一度は此轍んとし、嶢※豪逸なるカーライルさへ死後に遺筆をするに至りて、合歓団欒ならざりし醜を発見せられぬ。
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
私共は親子連の順礼とになりになりして、松葉の香をで通りました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)