“くつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クツ
語句割合
41.0%
28.3%
10.9%
6.8%
3.6%
2.5%
1.6%
0.9%
0.9%
0.7%
0.5%
木履0.5%
僧鞋0.2%
0.2%
0.2%
繍鞋児0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
馬蹄0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あなた方の夏の衣服がすってんてんになって、私などのような心配家はほっと息をしているのだが、実はまだくつの問題が残っている。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
急にひきつったか、怪我をしたか、馬子は案じて、もしやと、足蹠あしをしらべにかかってみました。くつが外れて、釘でも踏みつけたか。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
必ずその人に要する雑用(たとえばその人が渇いていれば一杯の水を汲んで来てやる、くつの紐がとけていれば直してやるというようなこと)
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
こう云う気楽な考で、参禅している人もあると思うと、宗助も多少はくつろいだ。けれども三人が分れ分れに自分のへやに入る時、宜道が
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ゆびくつしてると、當日たうじつ吾等われら海岸かいがんいへつてから、丁度ちやうど九日目こゝぬかめで、かね海底戰鬪艇かいていせんとうてい試運轉式しうんてんしきさだめられたる紀元節きげんせつ前日ぜんじつである。
倫敦、巴里、伯林、紐育、東京は狐兎のくつとなり、世は終に近づく時も、サハラの沃野よくやにふり上ぐる農の鍬は、夕日にきらめくであろう。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
若者の履いているくつは破れ、その足は塵に塗れている。ヨセフには若者の求めているものが水だけでないことがわかっていた。
聖家族 (新字新仮名) / 小山清(著)
友仁はそのままそこへ※伏せんぷくしていた。祈願の人がくつの音をさしてその側を往来していた。友仁の耳へはその音が遠くの音のように聞えていた。
富貴発跡司志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
甘藷さつまくつたなんていふんぢやねえぞ」與吉よきちいましめた。勘次かんじかれ大豆畑だいづばたけちかくにとなり主人しゆじん甘藷畑さつまばたけとそれから途中とちう南瓜畑たうなすばたけがあつたので、はたけのものよりも自然しぜんにそれをつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
平次の築き上げた假説は、これで殆んど完全にくつがへされたことになります
「馬鹿だなあ。君はなぜ細君さいくんや子供をやぶくつのようにてたのだ。」
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
木履くつ片足かたあしくなした、さむいと一人ひとりが云ふと、なにを? と一人ひとりが聞きなほした。木履くつくなして寒いとまへのものが同じ事を繰り返した。Mは何処どこにゐるとだれか聞いた。此所こゝにゐるとだれか答へた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
なんとなく里恋しく、魯智深は墨染すみぞめの衣に紺の腰帯ようたいをむすび、僧鞋くつを新たにして、ぶらと文殊院もんじゅいんから麓道ふもとのほうへ降りていった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
は、奢侈しゃしの余り多くの騾に金くつ穿かせ、また化粧に腐心して新たに駒産める牝驢ひんろ五百をい、毎日その乳に浴し、少し日たったものを新乳のものと取り替うる事絶えず。
郊外がドシドシつぶされて、人家や製造場などが建つことである、建つのは構わぬが、ユトリだとか、くつろぎだとかいう気分が、くなって、堪まらないほど窮屈になる、たとえやにこくても
菜の花 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
秀英はそこへ繍鞋児くつを出してきた。
断橋奇聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
われく、君子くんしおのれらざるもの(五二)くつして、おのれものぶと。われ縲紲るゐせつうちるにあたり、(五三)かれわれらず。(五四)夫子ふうしすで(五五)感寤かんごし、われあがなへり、おのれるなり。
常の衣の上に粗𣑥あらたへ汗衫じゆばんを被りたるが、そのさんの上に縫附けたる檸檬リモネからは大いなるぼたんまがへたるなり。肩とくつとには青菜を結びつけたり。
来るべき時代はこれと同じく現在に於ける恋愛の観念を悉くくつがへすであらう。現在に於ける恋愛の観念はかの中世紀の健康に対する観念と等しく人生にとつて有害なるものである。
恋愛と道徳 (新字旧仮名) / エレン・ケイ(著)
「ね、そのかはり、今度、タイキの馬蹄くつをあたしがつくつてやるわ。」
パンアテナイア祭の夢 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)