“かぶ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カブ
語句割合
55.6%
31.4%
3.2%
2.7%
1.2%
下部0.7%
0.6%
歌舞0.6%
頭振0.5%
0.5%
蕪菁0.4%
感化0.4%
感染0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
閉場0.2%
0.1%
0.1%
同化0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
氣觸0.1%
0.1%
薫陶0.1%
被假面0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちとやそっとの、ぶんぶんなら、夜具の襟をかぶっても、成るべくは、蛍、萱草かやくさ、行抜けに見たい了簡りょうけん。それには持って来いの診察室。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
此方こちら焚火たきびどころでい。あせらしてすゝむのに、いや、土龍むぐろのやうだの、井戸掘ゐどほり手間てまだの、種々いろ/\批評ひひやうあたまからかぶせられる。
恐ろしい半之丞の明察、——平次はおかぶを奪はれて暫らく默つてしまひました。が、やがて、心を落着けると、平次の日頃の叡智えいちよみがへります。
千両ばこ、大福帳、かぶ、隠れみの、隠れがさ、おかめのめんなどの宝尽くしが張子紙で出来て、それをいろいろな絵具えのぐで塗り附ける。
私は帽子を眼深にかぶつて、バツトを抱いて家を出ました。私の姿を見出した友達は「よく来て呉れた。」と云つて私の手を取つて喜びました。
初夏 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
下部かぶ貝塚かひづかが、普通ふつうので、其上そのうへ彌生式やよひしき貝塚かひづかかさなつてるとか、たしかそんなことであつた。いま雜誌ざつし手元てもといのでくはしくはしるされぬ。
この謀ずっと古くよりあったしるしは『左伝』に城濮じょうぼくの戦に晋の胥臣しょしん虎皮を馬にかぶせて敵の軍馬を驚かし大勝したとある。
苦心の結果、誠にいかにも古代支那しな式な苦肉の策が採られた。すなわち、斉から魯へおくるに、歌舞かぶに長じた美女の一団をもってしたのである。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
小平太は苦しそうに、ただ「いいや」とばかり頭振かぶりをってみせた。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
と、その乾いた唇がたるんで、再びあらわれた歯を見ると、濃厚なぬらぬらした鳶色の粘液が一杯にかぶさっていた。
青蠅 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
朝の副食物が味噌汁へ小さき蕪菁かぶの実三個を入れたるものと煮豆が小皿一杯、昼食が小さき八つ頭芋一個と蓮根が長さ三寸ほど、慈姑くわいが六個の煮たるもの
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
なさるのは、もつともと思ひますわ。でも貴君迄が、それに感化かぶれると云ふことはないぢやありませんか。縁起などと、云ふ言葉は、現代人の辞書にはない字ですわね。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
まあ私は罐詰かんづめという形ね。岩谷もあの時分は何か少し感染かぶれていたようだわ。お前さえその気なら、話は後でつけてやるから、松の家へかえるなというのよ。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
義残後覚ぎざんこうかく』七、太郎次てふ大力の男が鬼面をかぶり、鳥羽の作り道で行客を脅かし追剥おいはぎするを、松重岩之丞があらわす条、『石田軍記』三
小舎こやは山の上にあった。幾年か雨風に打たれたので、壁板したみには穴が明き、窓は壊れて、赤い壁の地膚があらわれて、家根やねは灰色に板が朽ちて処々ところどころむしろかぶせて、その上に石が載せられてあった。
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
『否、僕は昼寝なんかしない。高畑たかばたけへ行つて号令演習をやつて来て、今水をかぶつたところです。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
照子が家を出る時に、私も芝居へ行く体を装つて一緒に外へ出る、私の心情を哀むで照子は私を×子の処へ遣る、さうして私と照子は芝居が閉場かぶつてから途中で待合せて家へまた一緒に戻る……。
愚かな朝の話 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
てめえ遠くで面ア見てえて、仙台川岸せんでえがしの侍だったら、大きな声で其奴そいつだアーと呶鳴れ、そうしたら己がかぶり附くから、重さん、しッかりしなくッちゃアいけねえぜ
あの侍だと教えてくれゝば、己はかぶりついても差してる刀をふんだくるつもりだ、もしなげえのをひっこ抜きやアがれば、自身番へ引摺ひきずってく、また頭巾を冠ってやアがれば、此方こっちから突当つきあたって
うなかぶ三二 汝が泣かさまく三三
あれあれあの揺るるさまを見よ、きさままでがのっそりに同化かぶれて寛怠過ぎた了見じゃ、是非はない、も一度行って上人様のお言葉じゃと欺誑たばかり、文句いわせず連れて来い、と円道に烈しく叱られ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そこで僕も土俵際で落第したもんだと諦めて、その晩は久し振りに酒をかぶってグッスリ寝込んでいるうちに、いつの間にか夜が明けたらしい。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
と口惜しいから松五郎にかぶり附きに掛ると、松五郎は少しく柔術やわらの手を心得て居りますから、茂之助の胸倉をとらえて押してきますと、の辺には所々ところ/″\に沼のような溜り水が有ります。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
零砕れいさいの事実を手繰たぐり寄せれば寄せるほど、種が無尽蔵にあるように見えた時、またその無尽蔵にある種の各自おのおののうちには必ず帽子をかぶらない男の姿が織り込まれているという事を発見した時
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
或友人があつて、僕の詩に段々神秘的趣味が加はつて表象的になるのを見て、メーテルリンクに氣觸かぶれて來たと云つた。
神秘的半獣主義 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
それから上陸して境駅の入際いりぎわからすぐ横へ切れると、森の中の小径へかかッた,両側にはすぎひのきならなどのたぐいが行列を作ッて生えているが、上から枝がかぶさッていて下に木下闇こしたやみが出来ている
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
いけ年をつかまつってもとかく人真似まねめられぬもの、ましてや小供といううちにもお勢は根生ねおい軽躁者おいそれものなれば尚更なおさら倐忽たちまちその娘に薫陶かぶれて、起居挙動たちいふるまいから物の言いざままでそれに似せ、急に三味線しゃみせん擲却ほうりだして
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
カピ長 なん被言おしゃる! まさかに然程さほどではない、まさかに。リューセンシオーの婚禮以來こんれいいらいぢゃによって、すぐはなさきにペンテコスト(祭日)がたとして、二十五ねん、あのをり被假面かぶったのぢゃ。
立退たちのかうと云ふを夫三五郎が止めて烟草入を證據しようこに富右衞門にかぶせる上は立退たちのくに及ばぬ急に立去たちさらば却つて疑惑うたがひかゝると云れてお前は氣が付身躰みこしすゑたでは無か其時に三十兩と云ふ金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)