私が中学の三年の時でした。私の親友の河田が、突然自家の都合で遠方へ行かなければならなくなりました。河田とは小学校以来のたつたひとりの親友でしたから、私はその別れを何れ程悲しむだか知れませんでした。 河田と私とは学校の野球の選手でした。河田が …
著者 | 牧野信一 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「少年 第二〇三号(星の秘密号 七月号)」時事新報社、1920(大正9)年6月8日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約7分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約11分(300文字/分) |