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覆
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かぶ
ふりがな文庫
“
覆
(
かぶ
)” の例文
妹さんだって
油画
(
あぶらえ
)
かきだわ。みんな阿母さん系統なわけなのよ。それにしても私に
覆
(
かぶ
)
さって来るあの人たちの
雰囲気
(
ふんいき
)
はいいとはいえないわ。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
私は帽子を眼深に
覆
(
かぶ
)
つて、バツトを抱いて家を出ました。私の姿を見出した友達は「よく来て呉れた。」と云つて私の手を取つて喜びました。
初夏
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
そこは夜叉達が牛や馬の皮を持ってきて、それを尼僧の頭から
覆
(
かぶ
)
せていた。覆せられた者はそれぞれ牛や馬になった。
令狐生冥夢録
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
自動車は近路をするらしく、しきりに暗い通りを曲がっていたが、突然
賑
(
にぎ
)
やかな明るい通りへ出た。私は少し酔った風をして、帽子を前のめりに
覆
(
かぶ
)
った。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
お房の眼の上には、
眸
(
ひとみ
)
が疲れると言って、
硼酸
(
ほうさん
)
に浸した白い布が
覆
(
かぶ
)
せてあった。時々痙攣の起る度に、呼吸は烈しく、胸は波うつように成った。頭も震えた。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
箱詰になったような重い空気が街の上に
覆
(
かぶ
)
さっている。遠くの煙突から細い煙が
真直
(
まっすぐ
)
に
騰
(
のぼ
)
っていた。
秘められたる挿話
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
アルプス仕立の羽の帽子を
冠
(
かぶ
)
ったり、ピッケルを
担
(
かつ
)
いだりしたのは少ないが、
錫杖
(
しゃくじょう
)
を打ち鳴らす修験者、
継
(
つ
)
ぎはぎをした白衣の背におひずるを
覆
(
かぶ
)
せ、御中道大行大願成就
不尽の高根
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
摩違
(
すれちが
)
ひざまに沈んだ目で車を見上げて過ぎた。憤を歯から出さぬと云つた意気込が
小児
(
こども
)
ながらその顔に見えた。湯村は後から振返つたが、
母衣
(
ほろ
)
が
覆
(
かぶ
)
さつてゐるので無論見えぬ。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
何物か私の
面
(
かお
)
の上に
覆
(
かぶ
)
さったようで、暖かな息が微かに頬に触れ、「憎らしいよ!」と笑を含んだ小声が耳元でするより早く、夜着の上に投出していた二の腕を
痛
(
したた
)
か
抓
(
つね
)
られた時
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
裏手の井戸へ行こうとするらしい主膳の姿が、その雑草の中に隠れるのを、お角はあとを
跟
(
つ
)
いて行くと、お角の姿もその雑草の中に隠れてしまうほどに、萩や尾花が
生
(
お
)
い
覆
(
かぶ
)
さっています。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
見ると、手は手、足は足とバラバラの女人形に衣裳が
覆
(
かぶ
)
せてあったのだ。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
この村の昔の名主の屋敷
趾
(
あと
)
で、かなりに広い平地一面に低い小笹がザワザワと生え
覆
(
かぶ
)
さっている。その向うの片隅に屋根が草だらけになって、白壁がボロボロになった土蔵が一戸前、朽ち残っていた。
笑う唖女
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
小さな波が一つ
覆
(
かぶ
)
さつて引いた時には石は見えませんでした。
晩春の健康
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
“覆”の解説
覆(ふく)(sa: mrakṣa、ムラクシャ)は、仏教が教える煩悩のひとつ。
自己の誤ちの隠蔽。利益を失う・不利益を蒙ることを恐れて、自分が為した罪を隠すこと。
しかし、自分の為した罪を隠す人は、後に、必ず悔い悲しむ。
説一切有部の五位七十五法のうち、小煩悩地法の一つ。唯識派の『大乗百法明門論』によれば随煩悩位に分類され、そのうち小随煩悩である。
(出典:Wikipedia)
覆
常用漢字
中学
部首:⾑
18画
“覆”を含む語句
顛覆
転覆
日覆
反覆
修覆
覆面
雨覆
轉覆
覆布
傾覆
打覆
覆被
押覆
引覆
覆奏
覆水
鞍覆
被覆
上覆
覆羽
...