“押覆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おしかえ40.0%
おっかぶ40.0%
おつかぶ20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
数万の群集を足許あしもとに低き波のごとく見下みおろしつつ、昨日きのう通った坂にさえ蟻の伝うに似て押覆おしかえ人数にんずを望みつつ、おもむろに雪のあぎとに結んだ紫のひもを解いて、結目むすびめを胸に、烏帽子を背に掛けた。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
川留かわどめか、火事のように湧立わきた揉合もみあう群集の黒山。中野行を待つ右側も、品川の左側も、二重三重に人垣を造って、線路の上まで押覆おっかぶさる。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのまゝ押開おしあけると、ふすまいたがなんとなくたてつけに粘氣ねばりけがあるやうにおもつた。此處こゝではかぜすゞしからうと、それたのみうしてつぎたのだが矢張やつぱり蒸暑むしあつい、押覆おつかぶさつたやうで呼吸苦いきぐるしい。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)