“雨覆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あまおお33.3%
あまおおい16.7%
あまおほひ16.7%
あめおひ16.7%
ほろ16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今でも年々あらたにする屋敷神やしきがみほこら、または山小屋や積み物の雨覆あまおおいなどは、たいていは藁の穂先ほさきのほうを外へ出すことにしている。あの秋の田の苅穂かりほのいほなども、多分はこれと同じかったろう。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
石田は防水布の雨覆あまおおいを脱いで、門口を這入はいって、脱いだ雨覆を裏返して巻いて縁端えんばなに置こうとすると、爺さんが手に取った。石田は縁を濡らさない用心かと思いながら、爺さんの顔を見た。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
先に立つて行く軍人の雨覆あまおほひが八の絆纏のそでと摩れ摩れになつて、その軍人は通り過ぎた。八は子供の時に火傷やけどをして、右の外眦めじりから顳顬こめかみに掛けて、大きな引弔ひつつりがあるので、徴兵に取られなかつた。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
繩目なはめまゝにて跑踞かしこまる同人妻せん與惣次もつゝしん平伏へいふくなし何れも遠國片田舍の者始めて天下の決斷所けつだんしよへ召出されあをめの大砂利おほじやり敷詰しきつめ雨覆あめおひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
煙のように棚びいている夜霧のために、船の帆檣ほばしらも海岸の人家もぼうっとぼかされ、波止場に積まれた袋荷ふくろに函荷はこにも霧にめられて、その雨覆ほろにたまった雫の珠がきらきら光っていた。