雨覆あまおほひ)” の例文
先に立つて行く軍人の雨覆あまおほひが八の絆纏のそでと摩れ摩れになつて、その軍人は通り過ぎた。八は子供の時に火傷やけどをして、右の外眦めじりから顳顬こめかみに掛けて、大きな引弔ひつつりがあるので、徴兵に取られなかつた。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)