“縁端”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
えんばな37.0%
えんばた34.8%
えんはし8.7%
えんさき6.5%
えんはな6.5%
えんがわ2.2%
えんはた2.2%
ふち2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
台所へ廻ろうか、足をいてと、そこに居るひとの、呼吸いき気勢けはいを、伺い伺い、縁端えんばなへ。——がらり、がちゃがちゃがちゃん。吃驚びっくりした。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
庭を明るくしようと、侍女たちが総出で雨戸を繰り開け、部屋ごとに、縁端えんばた近く燭台を立てつらねて、いつの間にか、真昼のようだ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
私の行った時は、叔父は黒無地の着物に白い巻帯まきおびをしめ、表の縁端えんはししゃがんで盆栽ぼんさいの手入れをしていた。
客人を待たしおいて天の川へ往って魚を捕って来るなんぞ申し、竹子笠たけのこがさを着、腰に魚籠びくをつけて、縁端えんさきから虚空に姿を消すかと思えば、間もなく腰の魚籠にこいなまずの類をいっぱい持って帰るなど
切支丹転び (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
沓脱石くつぬぎいしの上に立ってモジモジしているのを、座敷へ上らせないように、急いで座布団ざぶとんを持って来てそこの縁端えんはなに席を設けた。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
縁端えんがわから、台所に出て真闇の中をそっとのぞくと、臭気においのある冷たい空気が気味悪く顔をかすめた。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
縁端えんはたには篠田が悠然いうぜんと腰打ち掛けて、朝日のひかり輝く峯の白雲ながめつゝあり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ところがその娘が或る日、崖の縁端ふちを散歩しているうちに突然に強い力で突落された。
書けない探偵小説 (新字新仮名) / 夢野久作(著)